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UTMB狂騒曲(余韻編 〜信越五岳トレイルランニングレース〜)

帰国後

 エコノミークラス3本乗り継ぎで9/3(火)帰国。2〜3日は足のむくみがつらかったが、レースのダメージというより飛行機のせいだろう。

 9/4(水)、ジャングルマラソンなどの報告会を聞きに行く。

 9/7(土)、越生のホームコース、彩の国南ステージ一周を疲労抜きに行こうと計画。完走できれば、毎年勝手に企画している彩の国 Classic Challenge カテゴリー1の達成(8〜9月中に第1回彩の国の北ステージ1周、南ステージ2周。合計100マイル)となるはずだった。

 8月にカテゴリー3(33時間以内で北ステージ1周、南ステージ2周)に挑戦し、あと1周を残して断念していたのだ。せめてカテゴリー1は達成したかったが、疲労と所要時間を考慮し、東吾野駅までの30kmで中止とした。

 その主な理由は。

信越五岳トレイルランニングレース

 はい、9/14〜15の信越五岳100マイルです。

 UTMBの2週間後ですが、これも出たかったレースなので、エントリー。1週間じゃあ無理だろうけど、2週間あればそこそこ回復するだろうと。

スタートまで

 100マイルのスタートは18:30なので、東京からなら当日入りが可能。節約のため朝から高速バスで長野を目指す。そこから在来線で飯山へ、送迎バスで受付へ、という激安計画。ところが、三連休の初日のため、高速道路が渋滞、長野到着が遅れて予定の電車に乗れない。まさかのDNS? 幸い、次の新幹線に乗れて飯山へ。

 装備チェック、受付を済ませ、飲食ブースで腹ごしらえ。ここで、彩の国関連でよく会うKさんが通りかかった。彼女も今年のUTMBを完走しており、スタート前には声を掛け合ったのだ。曰く、「え〜! 出るんですか? さすが変態…。私は応援です」とのこと。

 スタート前の荷物預けまでだいぶ時間がある。芝生に寝転んで仮眠。今年は好天だったからいいが、雨だと居場所に困るだろう。時間的には東京から当日入りできるが、前泊プランがオススメだ(待機場所も事前予約するとか、後泊も同じホテルにして荷物を預かってもらうとか)。

 巡回バスで荷物預けに行き、またスタート地点へ戻る。スタートエリア付近でウロウロしながら、サイラーのIさん、サハラーのKさんの姿を探すが見つからない。Kさんは千葉の台風被害でレースどころではないのかもしれない。

 そのうち、予想外の知った顔を見つけた。UTMBの同じツアーに参加していた、関西の方の女性Iさんだ。彼女も応援のために来ているだけで、走るわけではないそうだ。

 スタート直前、ようやくサイラーのIさんと会えた。握手を交わし健闘を誓う。彼とは走力が近い(目標は27.5hとのこと)ので、ペースの参考にさせてもらおう。

序盤

 前から50人あたりに位置を取る。ヘッドライト点灯。リラックスした気分でスタート。

 ゲレンデを緩やかに上り、トレイルへ。気持ちよく走れるコースだ。下り基調のシングルトラックではIさんの直後につく。心地よいスピード感で走りやすい。そのまま連れて行ってもらいたかったが、林道に出て登りになるところで私の方が先になった。

 上りもそれほどきつくなく、「走れるトレイル」という評判通りであった。つまり、「走らされるトレイル」でもあり、休む暇がない。

 最初のエイドでトイレに立ち寄る。出てきたところでIさんとすれ違い。やはり同じくらいのペースで来ている、気になる仲間だ。

 20kmほど進んだところだと思う。突然、重たい疲労を感じる。例えるなら、60〜80kmくらい走った後で、まだゴールまで数十キロある、というような疲労感。体が重い。流石にUTMBの疲労が抜けてなかった、ということだろうか。まだそんな距離じゃないぞ、と言い聞かせながら進むが、スピードダウン。ここでIさんが軽やかに抜いていった。

 やはり彼のスピードについて行くのは無理だったか…。それでもDNFなどという選択肢はない。やや傾斜のきつい上りを、前後のランナーと会話しながら登ってゆく。

 「UTMB出て信越ですか? 強者ですね…」とか、「えっサイラー? 本物は初めて見た…」などとおだてられてモチベーションを保つことができた。

 序盤のエイドのひとつ22kmバンフは、スタート地点から徒歩でアクセスできるところにあり(つまり、ランナーは無駄に大回りするコース)、Kさんが大きな声で名前を呼んで応援してくれた。気持ちよく手をあげてエイドを出る。

 山を下りて湖畔に出るところに、エイドではないがちょうどトイレがあったので利用させてもらった。UTMBに続いて、本番だと腹を下すのは何とかならないのか。

 湖畔を回って袴岳を過ぎ、55kmの大エイドに着くと、Iさんもまだ休憩中だった。それほど離されてはいないことに安堵。ここでドロップバッグを受け取り、汗で濡れたウェアを取り替える。その間にIさんは出発。こちらはだいぶゆっくりしてから遅れて出発。

中盤

 この辺りは「信越トレイル」の標識を時々目にした。よく整備されていて走りやすく、ここなら快適な山行が楽しめるに違いない。いつかロングハイクに来たい。

 関山方面への道は全部トレイルだった。付近を妙高 Ultra Run rAce 18で走ったことがある。あのときは、この辺には未舗装の山道はほとんどないような話を聞いたが、探せばあるものなんだな。

 なんとなく見覚えのあるような橋へロードで到着。多分この先がMURA18のゴール地点、アウトドア専門学校だろう。その手前にトイレを見つけ、落ち着いて用足し。

 川沿いの道を西へ向かう。JRと新幹線を超えて妙高山域へ入るのだ。この砂利林道は軽快に通過できた。空が白み、夜明けを迎える。遠くの山の頂上に筋斗雲のような雲がかかっていた。

 ほぼ15km刻みでエイドがあるが、とても長く感じる。日中の暑い時間帯が消耗した。

 特に、赤倉のゲレンデ登り。ここまではスキー場を通ることはあっても、上州武尊のような厳しい登りではなかったため、侮っていた。とんでもないキツイ登りと遮るもののない直射日光。ドリンクも少なく、熱中症の危険性が高い区間だった。

 しかし、登りきると奇跡のようなご褒美が待っている。天然の湧き水エイド(飲用可)だ。石川弘樹さんのコース設計に優しさとエンターテインメント性を感じる。息を吹き返して下ってゆく。

 88kmの池の平エイドで、昼食のつもりで「かんずりラーメン」をいただいた。美味しくって3回くらいお代わりし、エイドを出るのが遅くなってしまった。

 かんずりをお土産に買おうと思っていたのに、長野駅では売ってなかったのが残念。
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終盤

 関川沿いの宴会隊私設エイドに癒され、三分の二にあたる102km黒姫へ。再びドロップバッグが受け取れる。

 もう一度ウェアを着替える。シューズも予備のもの(Altra KING MT 1.5 使い古しの方)に履き替える。

 出ようとしたらテントの奥から声をかけられた。サイラーのYさんじゃないか! Yさんも何年か前にUTMBを完走していたはずだ。

 ここからペーサーを務めるので選手の到着待ちだと言う。Yさんをペーサーに使える選手ってことは相当実力者なんだろう。このペアに抜かされないように行きたい。

 115km笹ヶ峰エイドでは、久しぶりにIさんに追いついた。※訂正コメント参照 エイドを出たのは私の方が少し後だったが、平坦な牧場沿いで先を譲ってくれた。少々バテ気味のようだ。だが、私は彩の国で知っている。Iさんが後半このままで終わるはずはないのだ。「きっとまた追いつきますよ」と声をかけて先に進む。

 130km大橋林道エイド。スポンサーのパタゴニアの食品が提供されていた。豆のスープをいただく。ふとテントの奥に目をやると見覚えのある人が…。

 南三陸のひーさんだ! 昨年、南三陸イヌワシ火防線プロジェクトで会ったのだった。あれもパタゴニアのイベントだった。今回は手伝いに来ているんだろう。握手して、「今年も募集があれば行きますよ」と約束する。意外な人との再会が嬉しく、足どりが軽くなる。

 戸隠神社あたりは平坦な木道など。この辺から100kmのトップランナーたちが追いついてくる。もちろん抜かされる。そろそろ夕暮れ時。観光客も引き上げて行く。

 最後の一山、瑪瑙山に登るが、なかなか頂上につかない。やっとついた頂上には何もないな?と思ったら偽ピークで、誘導スタッフがいる本当の頂上はその先だった。ここからの下りも長く、途中小ピークの登り返しもある。下りの途中で、シューズの補修箇所はまた穴あきになってしまった。腰を下ろして小石を取り除き、履き直す。もう限界だな、帰ったら処分しよう。

 さあ、ちょっとトイレに寄りたい。下りきれば最後のエイドがあるはずだ、とガマンしながら下る。そのとき後ろから声をかけられた。

 Iさんだ! やっぱり復活してきた。まだこんなところにいるんですか、何か問題ですか?と、元気に話しかけられてしまう。う〜ん、問題といえばトイレに行きたいんですよね〜。後ろから煽られるのをパワーに、スピードを上げて最終エイドに到着。決壊せず間に合ってホッとする。Iさんはエイドに寄らず先へ。

 トイレ中にさらに2〜3人が通過したようだ。残りは約8kmの下り基調、追いつくかどうかは別として、スパートかける頃合いだ。飛ばしていこう!

 幸い、整備された砂利林道で走りやすい。スピードを上げ、スローダウンしている選手を拾ってゆく。この先に彼がいるはずだ。この調子なら追いつけるかも? カーブの先に見覚えのある端正なフォームを捉えた。Iさんに間違いない。まさか追いつけるとは思ってませんでしたよ、と声をかけて追い抜く。

 残り5kmもないだろう。Iさんや、他のランナーだって、ここから追い上げてくるかもしれない。不意に逆転されて後悔はしたくないので、そのままのスピードで進む。ゴールの明かりが見える。気持ちよく駆け抜け、26:07、48位でゴール! 次いで1分後、Iさんも笑顔でゴール!

 「100マイルの旅の最後にまた再会するというのもオツなもんですね」とIさん。あなたと前後して進むことで刺激を受けたんですよ。ありがとう。

レース後

 温泉への送迎があるという話だったが、バス便が少なく1時間待つらしい。大会指定の宿に電話をかけたら遅い時間でも入浴はできるとのこと。そのまま宿に向かうことにする。最寄りの道の駅までは大会の送迎バスで移動、途中コンビニで夜食を調達。宿の車で道の駅まで迎えに来てもらう。みんなゴール時間はバラバラだからこれを夜中じゅう繰り返すわけね。宿のスタッフさんお疲れ様です。

 翌日は表彰式。ここまで参加しないとドロップバッグが回収できない。完走者には一人ずつ記念のバックルが手渡される。会場には私と同じUTMBキャップをかぶっている人がいた。名前わからず。たぶん参加者だったのだろう。

 帰宅後、食事中に突如前歯が折れる。別にレースとは関係ないんだけど。1か月半かかってやっと治療完了。

 そうこうするうちに、思いがけなく幼友達からFacebookで連絡が来る。なんとUTMBで同室だったHさんの同僚で、同じランニングクラブに所属しているという(Hさんとは写真のやり取りなどでFacebookでつながった)。37年ぶり?に再会してトレラン話に花が咲く。ハセツネに10年くらいずっと出ているらしい。また何か新しいことが始まりそうだ。
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UTMB狂騒曲(後編)

 長文です。興味のある方だけどうぞ。

前日まで

 送迎バスで宿泊場所のレジデンスアパートに到着。ロビーのツアースタッフから説明を受けてカードキーを受け取る。ツイン2室+LD+Kを4人で使う。ビュッフェ式の朝食付きだ。この日はツアースタッフに街を少し案内してもらい、スタート・ゴール地点、スーパーマーケット、各種ブースの出ているイベント会場などを見て回った。
ビュッフェの朝食 野菜が少ないのでスーパーで買っておいたトマトを丸かじり
ある日の昼食 スーパーで買っておいたサラダやスープ、パテなど

 シャモニーは、軽井沢のような位置付けだろうか。アルプスの登山口でありリゾート地。それほど大きくない、谷あいの街だ。緩やかなゲレンデを囲むように小綺麗なホテルが立ち並んでいる。空を見れば常にパラグライダーが舞っている。ロープウェイで簡単に上まで行けるところに発進場所があり、私たちの泊まるレジデンスアパートの目の前のゲレンデが着陸場所なのだ。

 翌日は朝から公式ツアーの企画による試走会。当初はロープウェイで本コースの最後8km地点へ上がり、ゴールまで戻ってくる予定だった。このため、乗り放題切符を2日分買っておいたのだが、事情により運休となっており、街から3〜4kmを往復する形に短縮となった。

 メインは有名選手によるエスコートと、ストックの使い方レクチャーであった。ストックは使わないつもりだったが、それでもコースを案内してもらい、実走しておくことには意義があった(たぶん、ツアーに参加していなければ、自分で10kmくらいの試走に行ったのではないかと思う)。
試走会の集合写真 数キロ上がればそこは絶景
 そんなわけで、この日は乗り放題切符が余ってしまったので、パラグライダーが飛び立っているシャモニー北側の峰ブレヴァンへロープウェイで観光。午後はモンタンヴェール登山鉄道で氷河を見に行く。どこを見ても絶景で、目のやり場に困るぐらいだ。

 翌日、ツアー客揃ってレースの受付へ。公式ツアー客はまとまって行動すれば最後尾に並ばなくてもいいのだ。装備チェック後、ゼッケン受け取り。日本人が結構多いせいか、荷物チェックのスタッフには日本語OKな人もいた。

 昼から、ツアースタッフによるコース説明会。何度も完走したことのある人たちが「ここは長い下りの先がエイドだと思いがちだけど、エイドまでは登り返しがあるから忘れないように」「ここは風が強く冷え込む」と、実践的なアドバイスをしてくれる。

 説明会の後、会場前のロープウェイ駅から、エギーユ・ドゥ・ミディへ観光ツアー御一行様。富士山よりも高い標高へ、ロープウェイを2本乗り継いで到達。寒さ対策をするように言われていたが、日差しが強くダウンジャケットでは暑いくらいだった。

 帰路は、ロープウェイの乗り継ぎ駅から単独行動で、6kmほど離れたモンタンヴェールまでひとりトレラン。昨日登山鉄道で行った駅である。このコースはほぼ平坦で、登山客も多く歩いていた。
ロープウェイの中間駅 プランドレギーユから下ってきた
モンタンヴェール方面へ 山を右に見て進む
存在感のある岩
浮石 乗るよね
振り返る 岩だらけなのに走りやすい


当日スタートまで

 スタートは18:00なので、昼間はのんびり、できるだけ昼寝しておいた。
 目標は30時間。エイドの町の名前が覚えられないので、目安となる大エイド3箇所だけをピックアップした。
  1. Les Chapieux (シャピュー)50.1km
  2. Courmayeur (クールマイヨール)80.0km ドロップバッグあり
  3. Champex-Lac (シャンペ)125.9km ドロップバッグあり
 2.と3.はツアースタッフが個人サポートをしてくれるところだ(他にもサポート可能エイドはあるが、あまり頼るつもりはなかったので気にしていなかった)。ちなみに、3.のドロップバッグはツアースタッフが渡してくれるもので、大会公式のドロップバッグは2.だけだ。

 左腕にボールペンで高低の略図を描き、1.2.3.の位置に印をつける。各区間の予定時間はシャピューまで9時間、クールマイヨールまで6時間、シャンペまで6時間、ゴールのシャモニーまで9時間、と見積もった。

 少し早めにスタートエリアに入る。徐々に選手が集まり、すぐに広場は埋め尽くされる。私の前にはざっと200〜300人くらいいただろうか。待ち時間の間に夕立があり、レインウェアを初使用。
スタートゲート


シャピューまで

 場を盛り上げるアナウンスと手拍子。高揚感に包まれ、18:00スタート。シャモニーの街を抜け、やがて平坦なトレイルへ。ぬかるみや木道など少々。まだ始まったばかりなので、こんなところで転んで怪我などしないように気をつけて行こう、と思う。

 山を登り始めるが、まだ明るい。20:00くらいまではライトなしで行けそうだ。カウベルの音が聞こえる。沿道の応援で、子供たちが大きなカウベルを身体全体で振り鳴らしている。ハイタッチの手を出す子供たちにはできるだけ応えながら進む。
山々の夕映え

 30kmのコンタミン、通常のエイドで軽く食料を補給。そのまま出ようとしたら奥に個人サポートエリアがあり、せっかくなので味噌汁か何かいただいた気がする。

 50kmのシャピューには7:30ほどで到着、普段通りの走りができている。ここから、ピークを3つ越えれば、中間地点のクールマイヨールだ。

クールマイヨールまで

 まず初めのピークがフランス・イタリア国境の峠だ。説明会で、風が強くて冷え込む、と聞いていた。上りの途中で少し風が出てきたな、と感じたところでレインウェアを着込む。他の二つのピークではそれほど風や寒さを感じなかった。元来国境線というのは、過酷で越えがたい自然環境のところに、自然にできるものなのかもしれない。

 途中、携帯電話を持っているかどうかのチェックがあり、取り出して見せる必要があった。このとき、画面を変な触り方をしてしまったらしく、iPhoneの表示が超拡大され、何の操作も(終了すら)できなくなってしまった。

 Runtasticの計測は動いてるみたいだから、最悪でもこのまま充電しながら行けばゴールまで記録は取れるだろう。だけど、これじゃ緊急連絡がSMSに入っても読めないよな。次のエイドで、誰かに強制終了のやり方尋ねてみるか? 英語でなんて言えばいいんだろ。Could you help me to shut down my iPhone? みたいな感じだろうか。などと余計なストレスを感じながら進む。

 夜明けの山を数人で前後しつつ下ってゆく。麓のクールマイヨールからロープウェイが通っているようだった(まだ動いていなかったと思う)。登ってくるハイカーには「ボンジョルノ!」とイタリアっぽく挨拶。街におりて、石畳の小道を駆けてエイドへ。シャピューからは6:10ほど。トータルでは15時間の予定に対して1時間以上余裕が生まれていた。

 80km、中間地点のクールマイヨールではドロップバッグが受け取れる。エイド入口で番号順に並んでいる棚から自分のものを持って体育館のようなサポートエリアへ。ツアースタッフが「何食べますか? 何飲みますか?」と歓迎してくれる。それよりもiPhoneの件だ。尋ねてみると、「全部のボタンを同時押しすればいいんですよね」と言いながら強制終了してくれた。再起動したらRuntastic の計測もそのまま継続できた。余分なストレスが減り、大助かりだ。

 ちなみにiPhoneのアクセシビリティ>ズーム機能は他にも問題があるようだ。

 ツアー内でトップのKさんは先ほど出て行ったばかりだという。また、試走会や説明会に来られていた大瀬選手が、リタイヤしてしまったらしくここに来ていた。

 ドロップバッグからのウェアに着替え、食料などを入れ替える。復活したiPhone でメッセージなどチェックすると、日本で仲間が盛り上がって応援してくれている。私は仲間うちではそれなりにトレイルが速いと評価されているのだが、予想以上の健闘ぶり、ということのようだ。メッセージで「大丈夫なんで、そこはすぐ出ましょ!」などとエイドから追いたてられる。チキンラーメンなどしっかり補給して約30分で出発。

シャンペまで

 この後はコース上の最高地点、フェレ峠と、その後の長い下りが控えている。

 今日も快晴である。振り返って見下ろすクールマイヨールの街も美しい。
クールマイヨールを抜けて山へ
 街を出てしばらく標高が低いうちは疎林のトレイルだったが、ベルトーネ、ボナッティに上がる頃にはやはり日を遮るもののない岩肌の山道となる。好天のもと、絶景を見ながら走る気分は最高だった。暑かったのでサハラキャップをアルプスの雪解け水で濡らしながら。
超いい天気で暑い
北斜面に沿ったトレイルを行く
谷の向こうに見える山並みが陽光を浴びて美しい
雪解け水の流れで頭を冷やす

 ここからアルヌーヴァまで少し長めの下り区間がある。私はこれを、「フェレ峠からの長い下り」と思い込み、下りきって少し登り返せば次の目印としたシャンペに着く、と勘違いして進んでいた。実際は、これからがフェレ峠に登るところだったのだ。

 アルヌーヴァを出て、「少し登り返せば…少し登り返せば…ずいぶん長いな…さすがUTMB」などと思いながら、強い日差しのもと草山を登っていく。水も残り少ないが、2kmほど先の山頂にエイドのテントのようなものが見える。あれか。

 そして、たどり着いたときに、こここそがフェレ峠で、しかもエイドではない、と知ったときのショックたるや、相当なもの。

 何よりも水を補給したい。ここからが本当に長い下りなのか。しょうがない、水を節約しながら下って行く。幸い、下りの途中に小さなエイドがあり、水切れはなんとか避けられた。

 結局、シャンペまで6時間のつもりが8時間40分もかかってしまった。125km地点で合計で1:40ほどの超過。

 とはいえ、ここでもツアースタッフに預けた着替えが受け取れるので、気分転換していきたい。今後天気の崩れはない、という予想を聞いて、予定どおりサイラーTシャツに着替える。ヨーロッパじゃ誰も知らないだろうけど、日本ではちょっとハッタリになる完走Tシャツなのだ。サイラーの名を汚さないように行きたい。ここから約50km、あと3つ山を越えればゴールのシャモニーだ。

 シャンペでは、まだKさんも休んでおり、エイド内で少し言葉を交わした。もっと早く進む予定が、調子が悪くこの時間になっているとのこと。本調子だったらレース中に会うはずもない人であった。

シャモニーまで

 着替えてチキンラーメンやらを食べたあと、Kさんよりも先にエイドを出る。数キロ進んだ山中で用足し。この大会中、開始後からずっと腹下し気味で、エイドの度にトイレに寄っていた。セコイことを言えば、毎回のこれがなければ30分以上タイムを縮めることができただろう。ここまではエイドのトイレを利用していたが、ついに限界を超えてキジ打ちとなった。その間に、復活してスピードを上げたKさんには抜かれたようだ。

 一つ目の山は比較的楽に越えた。

 二つ目の山は少々うんざり。

 三つ目のテットオーバンはグランドジョラスが眺められる絶景らしい(後で知った)が、夜中なので自分の足元しか見えない。ゴロゴロした石の山道を、マーキングの灯火を辿って行く。

 コース取りに必然性を感じない。このルートでなければ頂上に行けないとか、山を越えるのに一番早いルートだ、というような必然性。そういうものを求めるのは、100マイルという距離ありきのコースには無理なんだろうか。ここまで睡眠をとっていないので眠気もあり、半ば幻覚を見ているような状態でフラフラしながら石の山を越える。この間、都合10人くらいに先を譲っただろうか。しかし、それなりのスピードで頑張って登っていたはずだ。何人か抜き返すこともあったように思う。

 最後の下りに入ればすぐにシャモニーかと思いきや、まだまだかなり長い。やがてロープウェイの駅がある。本当はここまで試走会で来る予定だったのだが、運休のため私たちはさらに下の方しか試走していない。知っているのは、松の生えている九十九折の登山道までだ。早く見覚えのあるところにたどり着いて安心したい。

 やがて見知った雰囲気の山道に下りてきたが、試走会で写真を撮ったカフェにはなかなか出会わない。道の雰囲気が似ているだけで、まだ先なのか。何回折り返せば着くんだろう。そうこうするうちに、またキジ打ちタイム。分岐をそれて用足ししてコースに戻ってくると、ちょうど日本人選手と行き合った。彼は足を痛めてしまったそうで、この後はゆっくり行くという。先に行かせてもらう。

 ようやく見覚えのあるカフェを過ぎた。そろそろトレイルも終わりだろう、とスピードを上げて行くと、一人のランナーに追いついた。右側から抜こうとすると、彼が右手を水平に伸ばしてくる。あら、通せんぼか。何か先に危険でもあったか?抜くんじゃないよって怒ったか?

 こちらが両手を上げてスピードダウンすると、彼は慌てたように「そんなつもりじゃないよ、ただ俺たちやったな!ってタッチしたかっただけさ!」そういうことか! 失礼した。We did it! と掌を叩き合い、気分良く先を急ぐ。

 街へ左折するポイントにはスタッフが立っていた。うっかり間違えそうになったところをちゃんと誘導してくれた。試走会でも通った、仮設の歩道橋を駆ける。
試走会のシーン 仮設の歩道橋で車道を越えて街へ

 川沿いの歩道を街の中心部へ向かう。イベント会場の脇を通って中心街へ。夜中だから混雑はしていないが、行き交う人々が「ブラボー!」と声をかけてくれる。前方に一人、先行ランナーが見える。ちょっと追いつくのは無理か。だからと言って力を抜く気はない。スポーツショップ前で曲がり、最後の直線へ。先行ランナーがゴールした。こちらも最後までスピードは落とさない。ゴールまで駆け抜けられるって、なんて気持ちいいんだ!
最後のロード
ゴールゲートへ帰還

 ゴールラインを越えて、先行ランナーと握手を交わす。近くにいた人が座れるスペースを譲ってくれた。しばし息を整えてからゴール地点を後にし、届いているはずのドロップバッグ(脱ぎ捨てた着替え入り)を回収しに行く(特にゴール後の案内は何もなかった)。途上、妻から祝福の電話が入る。忙しい朝の時間帯に、ちょうど速報サイトでゴールを知ったらしい。感謝。

 レジデンスの部屋へ戻り、まずは浴槽に湯を張って疲れを癒す。湯上がりに、買っておいたワインで祝杯といきたかったが、内臓が受け付けなかった。少し口をつけるだけにとどめる。ベッドに横になり、丸めた布団に足を乗せて高く上げ、ほぼ36時間ぶりの睡眠を貪った。

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UTMB狂騒曲(前編)

ポイント獲得レース

 UTMB(ウルトラ・トレイル・デュ・モンブラン)出場のためには、条件がある。ITRAポイントの獲得だ。ポイント対象と認定されるレースでを完走し、15ポイントを獲得しなければ、完走どころかエントリーすらできない(当時)。細かい定義は知らないが、概ね50km=3pt、100km=5pt、160km(100マイル)=6ptといったレベル感だ。

 では、3ptの50kmレースを5本完走すればいいのか? 否。

 2年以内に、3レース以内で、15pt獲得しなければいけないのである。つまり、5+5+5または4+5+6での15ptが基本になる。中には3+6+6というパターンもあるかもしれないが。

 私は2018年の、トレニックワールドin彩の国(175km)上州武尊スカイビュートレイル(129km)FunTrails 100km Round 秩父&奥武蔵(106km)が認められた(UTMBのサイトがITRAのデータをもとに自動的に判断する)。あれ? これ、6+6+5でお釣りが出るはずですね…。

 いずれにしても、160kmを超える世界最高に盛り上がるトレラン大会の出場権と考えれば、納得のいく制度である。

抽選

 さて、エントリーしたとしても、全員が出場できるわけではない。人気の大会なので抽選なのである。まずは年末に仮エントリーをして抽選結果を待つ。

 このとき、UTMB公式ツアーの予約も同時に仮申し込みしてしまうとよい。どこでどう情報がつながっているのか知らないが、それだけで当選確率は少し上がるらしい(それに、現地でレース中の個人サポートまで受けられるので、ぜひ公式ツアーは活用したい。フランス人の友人宅に無料で泊まれる、というような人以外は、自分で手配しても同じような値段になるはずだ)。2019年の日本人の出場権は30%程度だったとのこと。私はツアー申し込みの成果か、一発当選を引き当てた。ちなみに、公式ツアーの仮申し込みの手付金は、もし抽選に外れた場合は全額払い戻されるので安心だ。

 なお、私は公式ツアーの存在を知ったのが仮申し込み期限の直前だった。東京八峰マウンテントレイルを走った日に友人から教えられ、その夜に申し込んでギリギリ間に合ったのだった。

練習

 UTMBのコースを確認すると、最高地点は約2500m。普段走る高度ではないので、これは練習しておこう。

 というわけで、夏までに3回の2500m練習を行った。

(1)乗鞍天空マラソン

 ちょうどコースの最高地点が2500m。ロードのフルマラソンだが、上り・下りの距離も、一つひとつの山の規模が大きいというUTMB対策にはちょうどよい。6/23、3:38:32、42位で完走。

(2)富士登山競走練習

 富士登山競走の本戦には出ないが、練習として富士吉田市役所から山頂までを試走。五合目コースの関門はクリア、山頂コースも行けるつもりだったが、少しオーバーしてしまった。それでも2500mあたりまでは身体の異変もなく、問題なく走れるということを確認。7/13、約21km/約4:45。

(3)八ヶ岳練習

 八ヶ岳スリーピークスのコースを辿って2500mまで行って帰ってくる練習。上部はガスがかかっていたが、問題なくこなせた。7/20、約42km/約9h。

必須装備

 ご多聞に洩れず、UTMBも必須装備が定められている。中でも、レインウェアのチェックは厳しいとのこと。まあ、ある程度高度のあるコースだからそれは持たなきゃダメだろう。手持ちのmont-bell バーサライトの上下で実用上は問題ないはずだが、これでは引っかかったという例もある、ということで、mont-bell トレントフライヤーを購入。旅費・エントリー費以外の、こういうところがかかるんですよね…。

 後日になるが、装備チェックは現地での受付時。個人ごとにランダムにチェック項目が出力され、その用紙に従って係員がチェックしていく。レインウェアはおそらく全員共通チェック項目だ。裏面のシームテープが大丈夫か?まで丹念に見られる。私の場合、ほかには携帯電話、長袖シャツ、ライト、だったかな? そして、スタートエリアでも抜き打ちのチェックがある。これは声をかけられた人だけだ(私は対象になった)。完了するとゼッケンにシールを貼られる。

現地まで

 飛行機はツアーとは別に自分で予約したので、3本乗り継ぎの行程。ロストバゲージだけが心配であった。

 最安を選択した航空会社は中国南方航空。広州乗り換え・アムステルダム乗り換えである。久しぶりの海外一人旅は緊張する。ツアー参加にしたので、言語や手続き面をあまり予習しなかったことが不安を煽る。羽田出発前から、南方航空だけタッチパネルでのチェックインができない(対面のみ)・出発が遅れる、という不安要素。そして、広州で食べた羊肉の麺セットは日本円で払ったせいか随分と余分に払った気がする。

 スイス・ジュネーヴの空港には、ツアースタッフが出迎えに来てくれていてホッとした。EUに着いて、やっと日本語が話せる、という変な感覚。ちなみに、EU圏への入国手続きは乗り継ぎのアムステルダムで済んでいるので、到着地のジュネーヴでは何の手続きもない。陸路フランスへ入る時も。それに比べると、日本帰国時の手続きの煩雑なことよ。

 送迎のバスに他のツアー客と同乗し、フランス・シャモニーへ向かう。高速道路を走る車窓からアルプスの山々が見える。名も知らないが、岩山の雰囲気。日本の里山とは高度が違うということだろう。ああいう山を走るのか、と武者震いを覚える。

 以下、後編で!

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彩の国100マイル2勝2敗のタイに持ち込む

 トレニックワールドin彩の国100マイル。4年目である。昨年は膝の痛みを抱えての「完歩」だったので、今年の目標は「走り切る」「33時間を切る」。さて結果は?

北ステージ


 序盤・サンピアの裏山から先頭集団に入る。「抑え気味でいく」と公言していたNさんが思いっきり引っ張ってるんですけど。ロードに出るまでの間に私の方が前に出る。ロードではスタッフのMさんがバイクで先導についてくれた。大型バイクの先導がつくって、ずいぶん立派な大会になったもんだ。

 試走会の顔なじみIさんとトレイル入口付近まで先頭で並走。上り坂になるところで速い人たちに先頭を譲る。渋滞に引っかからない位置でよかった。

 竹林あたりまではサイラーのKさんとも前後していたが、すぐに彼は先に行ってしまった。飯盛峠への林道登りは練習で決めた通り淡々とジョグで無心に上る。エイド直前でIさんを追い抜く。ちょっとバテ気味に見えたが大丈夫か?UTMFのダメージがあるのでは?と余計な心配が頭をよぎる。

 8時間程度を目標にしていたが、ついついレース本番だと飛ばしてしまう。この日のために1年間の練習を積み重ねてきたんだから解放感があるのは当然だ、と言い訳を思いつく。気持ちよく走れていて、ほんの少しだけ追い込む程度なので、疲労の蓄積は気にしなくてよさそうだ。タイム・ペースよりも身体の負担・出力パワーの感覚を重視してこのまま進むことにする。

 堂平山のトイレは土足OKのはずだからトイレに寄っていこう。と思ったら、今年は土足禁止(土足OKの個室はランナー使用禁止)だった。次のトイレはどこだ?慈光寺か。あそこは元から土足のトイレだから問題ないな。2時間ちょいならこのままいけるはず、と計算して通過する。

 慈光寺のエイドではまずはかぶり水、そしてトイレ利用。ドリンク補充をしているところでOさん到着。昨年はロストしてサイラーになり損なっているので、今年は頑張ってほしい。

 慈光寺参道を下る途中、サイラーのMさん(DNS)が奥さんと応援に来ていて写真を撮ってくれた。さらに宿交差点まで下ると、クルマ移動であちこちで応援してくれているサイラーのSさんがここにも。本人もペーサーとして走る予定なのに、パワフルだなぁ。

 日差しが暑くなってはきたが、山中・林間は少し風もあって心地よいくらいだ。しかし、Nさんから聞いた「50kmでも必ずシャツを替えたほうが良い」というアドバイスに従って、サンピアに戻ったらシャツだけは替えて出よう、と決心する。

 新柵山への登りは一人旅。くぬぎむらエイドでもかぶり水を利用させてもらう。そのまま順調にサンピアへ7h10で帰還、昨年よりも早い。ここまでエイドではドリンクの補充とフルーツやゼリーなどのつまみ食い程度のみ。サンピアではカレーを小鉢半分程度いただいた。

南ステージ(前坂)


 滞在12分でシャツを替え、夜用の食料(カフェイン入り)に入れ替えてリスタート。ここを素早くやるだけで10位から5位にジャンプアップである。もっとも、五大尊の自販機でコーヒーを買ってトイレに寄ったので、すぐに帳消しになるわけだが。

 桂木観音を出たところでサハラ仲間のNさんHさんに「残り100km」とメッセージを送る。前夜、彼らとは「日が暮れる前に天覚山を登りきるとだいぶ楽なのではないか」と話していた。なんとかなりそうなペースだ。

 まだ暑いので、ユガテに向かう途中の水場で頭を冷やそう、と思ったら、水量が極少でこれは使えず。ユガテのトイレに寄って手洗い用の湧き水を利用させてもらった。

 吾那神社エイドではアイスコーヒーを所望、スティックコーヒーを水で溶いてもらう。出がけにグローブを置き忘れそうになり呼び止められる。感謝。

 東吾野駅の裏手を歩きながら、ヘッドライトの準備をする。まだ点灯しなくても行けそうだ。天覚山の頂上直下へ登りきると、スタッフが案内に立っていた。「コース上に案内スタッフはいません」という大会なので、これだけでだいぶ手厚くなったなぁ、と感じる。大高山へ向かう途中でライトオン。

 前坂でトータル約12時間。GPS計測しているiPhoneアプリRuntasticの調子がおかしく、計測は継続できているのに終了や保存ボタンが出てこない。ということは、完走しても強制終了するしかなく、記録の保存ができないのでは…完走者に「GPSデータを提供してください」って呼びかける大会だけに、ITRAポイントが認められるのか不安がつのる。ともかく画面のスクリーンショットは要所で保存して画像として記録しておくことにする。

 竹寺の手前、天王山を登る前にトイレに寄って、飲用不適の川の水で頭を冷やす。竹寺エイドでうどんを少しだけ。本当は豚汁うどんなのだが、固形物に食指が動かなかったので、汁だけかけていただいた。「次に来るときは上の方に移動しててくれたりしないですよね?」などと軽口を叩いて出発(三周目では山の上から竹寺に降りてくるので、上の方にエイドがあると便利)。

 次のポイント子の権現では、エイドはないが売店が深夜営業してくれているはず。その意気に感じて何か買っていこうと夜の山道を急ぐ。だいぶ体感気温は下がり、涼しく走りやすくなってきた時間帯。そこへNさんから残念ながらリタイヤ、とのメッセージ届く。ともに完走を目指してきた仲間のリタイヤが悔しくて泣きそうになるが、もっと泣きたかったのは自分自身だったろう。

 子の権現の売店で甘酒を一杯。キュウリの一本漬けを購入してかじりながら山道を下る。塩加減・水分ともに申し分ない。

 西吾野駅の自販機でアイスコーヒー。カフェインパワーで駅裏の急登を登る。竹寺〜高山不動の間で順位が5人分上がっているが、特に抜いた記憶がない。高山不動のエイドにはやたらスタッフが多く感じて尋ねると、まだこれから巡回に出る人が多くいるのだ、「まだ速い人しか来てないから」と教えてくれた。聞かされたときは実感がなかったが、このときの私の位置は部門2位。つまり優勝者のひゃっほいさんの次点につけていたらしいのだ。大幅な差のある状態、しかも瞬間風速とはいえ、光栄なことだ。 ※訂正コメント参照

 そして関八州見晴台から四寸道を下り、桂木観音へ。ここで順位が5人分後退しているが、これまた抜かれた記憶がない。桂木観音エイドでは南ステージへ向かう100kmランナーたちが出て行くところで、動線が交差する。ここは運営側で案内を考慮するべきところじゃないだろうか。皮ごと食べられるぶどうを何粒も口にし、止まらなくなってしまう。この辺から味覚と胃腸は少し調子が狂い始めていたのかもしれない。

 幕岩展望台から大高取山の頂上を経て長い下り山道をたどり、サンピア到着。時刻は01:23、Nさんと、応援に来てくれたサハラ仲間のUさんの出迎えを受ける。サンピア裏手の水道で水を浴びる。

南ステージ(登戸)


 残すはあと一周。もう取っておく必要はないので、準備していた着替えを全て取り替える。ヘッドライトの電池も予備と入れ替え、滞在25分でリスタート。ちょうどKさんのリスタートとほぼ同時。中津久根のトイレに立ち寄っている間にKさんが先行したが、西山高取への登りで追いついてしまう。立ち止まっていて辛そうだ。ちょっと脚を痛めていることもあり、リタイヤするため戻るか進むかを考えるとのこと(脚を痛めていての、この走りですか…)。

 止まりこそしないものの、私も歩いて動き続けるという程度の動きしかできなくなっている。山道を軽快に走る、というトレイルランニングのイメージとは程遠い。ともかく今回3回目の桂木観音エイド到着。ドリンク補充、このとき少し塩分を多く入れすぎたかもしれない。

 鼻曲山までの間に後ろから女性ランナーが追いついてきた。素晴らしい速さなので先を譲る。見ると駅伝の選手、フレッシュなわけだ。少し先ではサイラーのYさんがスタッフとして巡回中。エントリーしてたのに走れず、逆に仕事させられていたとは。その後、北向地蔵までの区間で、前方からロストしたランナーが戻ってくるのに行き合う。桂木観音エイドに戻るところを曲がり損ね、そのまま三周目に入ってしまったもののようだ。やはり桂木観音周辺の動線交差部分には案内を充実した方が良い気がする。

 夜明けを迎えてヘッドライト消灯、ユガテのトイレ立ち寄りは前周回と同じ。次のエイドが近づいたので、しょっぱすぎるドリンクを廃棄する。

 吾那神社エイド到着、もうエイドは半ば撤収の準備中であった。そりゃそうか、あとは多くても数十人しか来ないんだろうから。スープパスタをいただく。今度はコーヒーもホットで。グローブを忘れずに出発。

 天覚山への登りで、後ろからランナーの気配。見ると、前回優勝のDさんがペーサーについている人であった。先へ行ってもらう。さらに後続の気配があるが、まだ距離があったのですぐに後を追う(が、前との差は開く一方だ)。

 種木では途中リタイヤしたと思しきOさんが車中からランナーに拍手を送ってくれていた。ここで可能なら集会所のトイレを借用したいと思ったのだが、残念ながら朝早すぎて開いていなかった。外の水道を使わせてもらう。

 天神山を経て登戸までの間に、後続の数人に抜かされる。登戸から竹寺までの間で、両手が相当むくんでいることに気がつく。腕時計がきつく、指のしわが見えなくなるレベル。おそらく脱水症状によるものだ。

 この区間ではかなりスピードが落ちていたはずだが、さらに後ろから追いつかれることはなかった。それどころか、竹寺に近づいた時点で一人を抜き返した記憶がある(早く竹寺のトイレに行きたかったからだ)。

 竹寺のエイドでは経口補水液OS1を摂取するが、全然内臓から染み込む感じがしない。内臓の吸収能力が落ちていたのだろう。塩分・水分は十分取っているつもりだったし、少量の食事は問題なく口にできていたので、「胃腸は大丈夫」と思い込んでいたが、どこかで何かが狂っていたのだ。摂りすぎて吸収できていない水分の分だけ、お腹が張ってトイレに行きたくなる。エイドのベンチで数分座って休み、子の権現まではそう遠くない、「行くしかない」と立ち上がる。


 太陽が高くなりつつあり、水分が吸収できていない分だけ暑さが堪える。子の権現ではアイスを買おう、と決める(腹具合のことを忘れている)。売店に着くと、試走会で一緒にスタッフをやったサイラーのNさんが応援に来ていた。気になっていたIさんの状況を尋ねると15位で走行中、との朗報。アイスを2個投入して体を冷やし、さらにキュウリの一本漬けを二本購入してかじりながら出発。

 西吾野駅では「またあのアイスコーヒーを買おう、量の多いやつを」と思っていたら、皆さん同じ思考なんですね。売り切れでした。仕方ないのでカフェインのとれるアイスティーを選択し、飲み干す。

 駅裏の急登をひとつ登ったところで、件のIさんが追いついてきた。「この後の下りが怖いですね、そこで抜かしてください」と淡々と先へ進んで行く。先々週に140km走った人とは信じられない強さだ。

 高山不動にはまだIさんの滞在中に到着。しかし水道で頭を冷やしたり、しばらくベンチに座って休んだりしていたので、再出発時にはだいぶ差がついていたと思う。関八州見晴台へ向かうと、グリーンライン上には整体のO先生が出店中。「あと少しだから楽しんで!」と声援を受ける。

 そうか、もうあと少しなのか。

 そして、まだ楽しむ余地があるのか俺には(楽しそうに見えてるか?)。

 ちょっとだけ気持ちに余裕が生まれる。

 越生駒ケ岳の激下り、尖った切り株に左の脛をぶつける。これが今回唯一の負傷。四寸道を脱出したところでシューズに入り込んだ異物を除去するため道端に座って履き直す。そこへ、子の権現にいたはずのNさんが走って通りかかる。応援ランでこの速さなのか、なんなんだこの人は…。

 バス通りまでのロードで100kmランナーを追い越し、桂木観音へ。夜明け前に山中で会ったYさんがスタッフをやっていた。「もうあとはウイニングラン!」と励まされる。ありがたい。

 一方、もう一人のサハラ仲間Hさんからも励ましのメッセージが届く。これはおそらく、本人はリタイヤしてしまったということなんだろう。ちょっとだけ遅れ気味、という情報を明け方にNさんから得た後、音沙汰がなかったので嫌な予感はしていたが、確定的だ。どれだけ準備をやり尽くしても、うまくいかないことがある。ましてや相手はモンスター・埼玉奥地の魔物なんだから、なおさらだ。

 悔しさを噛み締めながら送ってくれたはずの、その励ましには答えたい。怪我なく無事に終わらせるのだ。昨年の経験を思い出し、タオルを濡らして首を冷やすようにして出発。虚空蔵尊までの下りはどうにか走る。虚空蔵尊のトイレに立ち寄り、幕岩まではほぼ歩く(途中平坦な箇所で100kmの人を抜いたかな)。大高取山からの下り道はやはり長い。が、昨年のようにトボトボ歩くのではなく、どうにか走って降りられそうだ(もっとも、後ろから抜かされはしたけど)。

 このとき時刻は15:00前後の暑い時間帯。トレイルを出れば、サンピアに着く前に唯一の商店の前を通りかかる。そうだ、あそこでもう一度アイスを買って食べながら帰還しよう。それだって「走りきった」ことにはなるだろう。これが試走を繰り返して地理を把握した者の強みだ。待ってろ、才車商店!

 バス通りを横切り、「あと2.3km!」というスタッフの案内を聞きつつ、小学校の脇をアイスのことだけ考えて駆ける。橋を渡ればそこに店が…

 …店はあるけど

 …シャッターが…閉店日かい!

 もう一刻も早くサンピアにたどり着く以外の選択はなく、真面目に走って32h32でフィニッシュ。最後の方は33時間以内という目標の時間はどうでもよくなってました(早く終わらせたかったのは間違いない)が、結果的には間に合ってよかったです。

そして


 現行コースで33時間以内のサイラーになれたのなら、彩の国Classic Challenge(完走者ゼロの第一回大会のコースを33時間以内)も不可能ではないのでは?と本気で思っています。

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2018年のランを振り返る

 振り返ってみれば、昨年の心残りを全て払拭できた、最高の年でした。 なんだか、生傷が絶えず、骨折したり、しょっちゅう膝が痛いと訴えていた気がしますが、それでも 走れる/走らせてもらえる ことに感謝します。
 年末には東京八峰も仲間と走れたし、幸せな一年でした。

 じゃあ、今年は心残りはないのか?

 ありますよ。
 来年はUTMBにエントリー。当たるといいな。当たらなくても、上記の心残りは潰しに行きます!

 新しいシューズ、少しはアッパーが丈夫になったというやつ、買おうかな。

 また来年もよろしくお願いいたします。

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第5回はが路ふれあいマラソン顛末記

 2018/12/16、5年連続5回目の自己ベスト更新しました。3:20:04。

 昨年は3:30を切れたので、今年の目標は3:15にしたのですが、この時間帯はペースランナー不在。半ばヤケクソで始めは3:00のペースランナーについて行きました。
 あれ?意外とイケるな…これって時々気まぐれにやるスピード練習のペースか…と思ったのは5-6kmまで。8kmあたりで早々に脱落しました。

 10kmあたりからは右腿に違和感を感じつつ、「今日だけのことだ、死ぬわけじゃない」と言い聞かせて走り続けます。
 やがて左腿にも同様の違和感が出てきて、これはバランスとれてよかったのか!?

 原因はおそらく、
  • 右膝の痛みが出ないようにストライドを大きくした
  • 普段やらないスピードで普段走らないロードを走った
 要するに身体に無理させた筋肉痛みたいなものでしょう(関節とか腱を痛めたわけではない)。
 ちなみに、膝の痛み予防には走る前から痛み止めを服用。これはバッチリ効き、ストライド&踵着地もうまくいき、全く膝の痛みはありませんでした。

 前半のうちに、女子1位のランナーに抜かれました。確か前回は女子10位と同じくらいにゴールしたので、今年はだいぶ頑張っています。

 脱落したとはいえ20km手前の峠、ここはトレイルランナーの脚の見せ所、とばかりにスピード上げて行きます。
 ハーフ地点で1:33のタイムを確認、このまま行ければ上等だ。
 エイドには1度給水で立ち寄っただけ、3:00は無理でも3:15にはまだ希望が持てるペースでした。ハーフまでは。

 折り返しの登り坂で手持ちのジェルを摂取し、後半のエネルギー切れに備える。
 そう、トレイルだと「どうせ走れない登り坂」ってのがあるので、補給したり脚を休める(他の筋肉を使う)時間があるんですよね。ロードはスピード上げて走りっぱなしなのでツライです。ジェルの口も走りながらじゃ開けにくいし。

 ちなみに、今回のジェルはこちら。

 人工的な味だけど、ショッツほどひどくはなく、マグネシウム入りなので脚攣り防止にはいいかも。ナチュラルな感じではないので、ロードのフルまで専用かな。

 ともかく30kmまでの区間もエイドは2-3回の給水のみで進みます。が、だんだんとペースが落ちてきます。後ろから上げてくるランナーに次々と抜かされますが、彼らについて行くスピードが決定的にありません。女子の2番手にもパスされました。

 まさかのリタイヤ?いや、さすがにそれはないな。
 しかし、本当に走れなくなったらジョグに切り替えてゴールってことになるのか。ちょっとカッコよくないなー。
 などと考えながら到達した30km地点にはこんな看板が。

「30kmからがマラソンだ」

 そうだ、最後にはまた登り坂があるじゃないか。お前はトレイルランナーなんだろう?
 看板の言葉を口に出して唱えます。

「30kmからがマラソンだ!」

 そうだ、まだ終わってない。
 坂まで脚を温存しておくような余裕はありませんが、最後の坂を潰れずに走り切れれば俺の勝ちだ!と勝手な目標に切り替えます。

 実際、30kmまで来ればもうリタイヤは本当にないと言っていいでしょう。あと12km、あと10km、あと8km。ほら、もうこれで家から汐○までの距離だ。こないだ1時間で走ったじゃないか。

 なぜか後半ゴールが近づくにつれて、エイドの数が充実してくるんですが、ひとつも寄れずになんだか心苦しい。たまには蕎麦とか食べてみたい。
 この辺では女子3位のランナーに抜かされます。追いつけないっての。

 ただ、登り坂では根性見せて誰にも抜かされず上まで。登りきると、

「さあここからは平地!」と、スタッフが励まします。

 いや、苦手分野なんですけど。案の定、ガンガン抜かれます。もうゴール近いからスパートする人はするよね。

 それでもしばらくすると、畑の彼方にゴールのゲートが見えます。帰ってきた!が、そこから公園へのアプローチは左手から回り込むようなコースなので、まだ1km以上あるのです。

 両腿と右脹脛が痙攣している。
 右脹脛の痙攣は静脈瘤のように内側中ほどにいる。
 そいつが、次第に膝に向かって蠢いて這い上がってくる。
 攣らないギリギリのスピードで走り続ける。
 あと少しなんだから持ってくれ!

 最後の1kmを数人に抜かされつつも必死で駆けて公園に入ると、正面がゴール。ゴール脇のタイム表示が3:19:48、49、50とカウントアップされています。くそ、3:19台で入りたいぞ!

 スピードアップするも、わずかに及ばず。
 しかも、ゴール寸前で後ろから来たランナーにかわされるというおまけ付き。

 まあ「諦め」という自分の心には勝った、いや、負けなかった、ということで。

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第4回 Fun Trails 100K Round 秩父&奥武蔵 激走記

 2018/11/17-18、FTR100を完走してきました。昨年は事故により50kmほどで中止(なんの記録もポイントもつかず)だったので、心残りを払拭してきました。18:21:49、総合26位。

前泊まで


 2週間前にコース全線を試走、約23時間。何かトラブルがあったとしても24時間は切れそうなので、これを最低限の目標とします。とにかく前半の上りがきつい、ということを認識。鎌北湖周回あたりでミスコースしたので、ここは本番で気をつけよう。その他気づいた点は、
  • スタートから芦ヶ久保まではロードと走れるトレイルなので、位置取りはその間にやっておくと良い(二子山、武川岳、大持山あたりはひたすら走れないので順位は変えられない)
  • A3名栗は駐車場のようなので、トイレによるならさわらびの湯の駐車場で済ませた方がスムーズ
  • 最後の県民の森からの下りがダラダラ長いし眠いはずなので、最終エイドでコーヒー投入しよう
など。
 前泊は武甲温泉。前日受付会場(スタート地点と同じ、西武秩父駅から徒歩だとかなり登る。まだ前日なのに)から歩こうと思っていたが、予定外の時間に送迎バスがあったので乗せていただく。ロビーの飲食コーナーにて、ポットでお湯を提供してくれた。5:00スタートにも間に合うように送ってくれた。

前半


 スタート会場でNさんと会えた。上州武尊では無念のリタイヤだったので、今回は是非とも完走してUTMBに向けて一歩進めたいところ。「ヘッドライトはあったほうがいいですよね」など話す。
 越生の先輩、Sさんにも会えた。試走は一緒にはできなかったけど、いろんなレースで前後することが多い、いつも気になる一人だ。シューズの紐の独特な結び方を教えてもらった。
 あらかじめ痛み止めを服用しておく。

 05:00、羊山公園をスタート。横瀬までのロード、最初は主催者の奥宮さんが先導(「抜かないでくださいね」って言ってた)してくれた…らしいけど、先頭にいたわけじゃないのでどこまで本人が先導してたのかはわかりません。ともかく試走では住宅地のコースがわかりにくかったので、ここで先導があるのは安心でした。
 スタートから2〜3km、トレイルに入る前の段階で、ようやく先頭集団(&Sさん)に追いつきました。

 試走の結果で想定した通り、芦ヶ久保までのトレイルは結構飛ばし気味で行きます。いい感じ。その後二子山への登りにかかる手前9km地点にエイドがありますが、スルー。キャンプ場の中の道を下り、沢を渡ります。
 斜面についているトラバース道で高度を上げていきます。二子山のピークに達するまではともかく登りです。ここで少し順位を上げられたと思います(抜いた記憶はあるが抜かれた記憶がない)。

 ピークから見下ろす朝の秩父の街の風景はなかなかいいものでした。
 二子山は特徴的な形で、平地から見ても一目で「あー、あれが双子だな」と思う山です。その山の姿を想像しながら、雄岳・雌岳(二卵性ですね)を越えていきます。
 これできつい登りが終わるか?というと、まだしばらく大持山の肩まではなかなかきつい登りが残っています。途中、焼岳の林道にはブリーフィングで説明があった通り給水所が出ていましたが、これもスルー。
 その先でコースは尾根の登山道に乗り換えるのですが、ここに大会案内表示が無かったのは、ほぼ唯一わかりにくかった点です。試走で把握していたので、直進しようとするランナーを呼び止めることができました。Nさんは試走には来られなかったので、ここの情報を念のためメッセージ送信。

 大持山の肩からは昨年と同じコース。アップダウンを数回繰り返して「橋小屋の頭」から坂川乗越へと左折(また昨年のコースから外れる)します。この辺はもうだいぶ選手間がばらけていて、マイペースで進めていました。左折して下りになったところで、後ろから迫って来た選手に道を譲りました。後で確認したら、この人が本大会の優勝者になっていました。ここまでは本当に様子見のペースだったんでしょうね。

 坂川乗越からは再び昨年のコースと同じになり、蕨山経由でA3名栗へ下っていきます。途中、どうもiPhoneの充電の調子が良くなく、グローブを外して歩きながら試行錯誤していたら、片方グローブを落としてしまいました。200mほどで気がついて引き返す途中、後続ランナー二人が「そういえば!落ちてました」と教えてくれました。
 レース後半で再会したとき、この方は「拾わなくてすみませんでした」なんて謝っていたけど、全然気にしてません。「落ちてた」情報の提供だけで十分ありがたいです。

 A3名栗では奥宮さんに「調子はどうですか」と話しかけられ、突然のことでうまく答えられず。なんか失礼な奴になってしまった。エイドを出たところで、バッテリーの接触が良くないのでRuntastic計測終了、緊急の通話用に電源を温存します。
 結局、この不具合はiPhone側のドックコネクタの問題で、AppleStoreで本体交換が必要でした。ここを壊さないためには刺さないのが一番、というわけで、それ以来非接触タイプの充電器を愛用しています。例えば

など。私が買ったのはDeliTooの商品で、特に不満はありません。

 さて、珍寺(? 鳥居観音)を背後に、飯能アルプスの稜線へとロードを登っていきます。ここのロードで、昨年は力強い登りのランナーの走りに圧倒されつつその背中を見送ったのですが、今年は周辺に他のランナーがいませんでした。少しは自分に力のついた証だといいんですが。
 鉄塔沿いの尾根道を竹寺へ、そして崩落部分を高巻きして子の権現へ。走り慣れたホームコースです(逆だけど)。A4子の権現では、スポーツドリンクを補給。薄めに作ってあったと思う、これはありがたかった。1倍のスポーツドリンクは甘すぎるからね。

 ここから飯能アルプスの縦走にかかります。スルギ、前坂、大高山、天覚山。ほぼ抜いた記憶も抜かれた記憶もありません。トピックとしては、シューズの崩壊ですね。
 天覚山の下り、右足が木の根か何かに蹴つまずいた瞬間、シューズ(Altra King MT 1.0)がビリッと破けてパックリ穴が空きました。アッパーが薄くて弱いとは思っていたのですが、「最近、俺走り方上手くなったんじゃない?」と勘違いしたため、シューグーで補強するという対策をしなかったのです。1.0が特にアッパーが弱く、1.5では改善されているとのこと。

 天覚山登りかけのA5東吾野ではRUN塾のみなさんが心配してくれて、ガムテープを提供してくれました。ありがとうございました。補修時間を取られたので、天覚山への再度の登りを結構追い込んで上がっていくと、スタッフの中にサイラーのSさんが!サンタ姿で応援してくれました。

「あれ?ずいぶん息上がってますね。慣れてるコースなのに」
「…え?…あ…」
「…あ、いや、いい位置、いい位置」
「…(ども)…」

 あまりお話しできず、すみませんでした(登り切るのでいっぱいいっぱいだった)。次のエイドまでの間に、痛み止めを再度服用。

 その後もシューズの都合により地球と足に優しい走りを続け、A6飯能中央公園。ここには会いたい人がいた。東吾野から北向地蔵までをたまたま一緒に走ったことのあるKさん。昨年の中止になった大会でもここのエイド担当で、私はその手前の東峠で中止となり、会うことができなかったのだ。
 エイドに着いてすぐ「Kさんて方、いますか?」と聞いたら目の前にいた! 再会できてよかった。彼は昨年の大会中止をものすごく悔しがっていた(もしかすると選手以上に)ので、元気な姿を見れて本当によかった。

Kさん「調子はどうですか?」
私「今の時刻にここにいるってことは、めちゃくちゃ調子いいって分かるでしょ?w」

 そう、こんな予定ではなかったのだ、24時間完走狙いであれば。ただ、ここまでできてるならやってやろうじゃないか、とも思う。時刻は14:40、折り返し地点で、まだスタートから9:40しか経っていない。
 エイドにいた他のランナーも

「このままなら17〜18時間のペースですよ」

と、煽る。
 まあそれは無理でも出来る限りはやろうじゃないか。

後半


 というわけで、それなりに頑張って走っていたら高麗峠の砂利道(平坦)であえなく転倒、右肘をざっくり切る。砂利ってダメージでかいよね。しばらく血だらけのまま走る。巾着田キャンプ場のトイレの水道で応急処置。
 巾着田の出口には応援してくれている人がいたが、彼女らはコースをわかっていなかったので、誤誘導された人ももしかしたらいたかもしれない。私は自説を貫いて無事でした。

 日和田山への登りで、いつの間にか先にいたはずのランナーを一人追い抜いた。どこかでロストしていたらしい。そこからは前後しつつ進む。日和田山の頂上直下のカメラマンに、彼が私のことを

「あのシューズでこのスピードはすごい」

と言ってくれたのは地味に嬉しかったな。

 そろそろ日暮れ。鎌北湖に着く前(だったと思う)にヘッドライト装着。A7鎌北湖で再度ガムテープを提供いただく。
 湖畔の一周コースは案内に気をつければ問題なし。
 そこからトレイルで北向地蔵方面へ上がる区間は全くの初めてだったが、幅のある登山道だったので特に不安はなかった。

 北向地蔵からユガテまでは後ろに数人のランナーが付いてきた。いい緊張感。せっかくなので、水場や、ユガテにトイレがあることなどを教えてあげたりした。トイレに寄ってる人もいたから、ちょっとは役にたったろうか?
 ユガテを過ぎて八徳、高山不動までの間で彼らには抜き去られた。八徳より手前の登りロードではこっちが「すごいですね」と言われることもあったんだが、最終的にはあっちがすごい。

 八徳〜高山不動の沢沿いの登り、新潟方面から参加しているランナーと話しながら登高する。

「今日中のゴールを目指してます」
「あーそうなんだ。私は24時間で行ければいいと思っていて」
「いや、今日中にいけるんじゃないですか」
「え?…えーと今19:00台だから、つまり、あと4時間くらいで、と」
「それ、行けますよ」
「…え?…高山不動、飯盛峠、大野峠、丸山…あ、ほんとだ、…行けるかも」

 最後の境内への石段を登りきると、高山不動「本尊」なのだが、エイドはさらに数百メートル上のグリーンライン沿いだ。
 エイドでは、まずガムテープを所望する。軽く飲食しつつシューズの補修。
 そして、最終エイドで待っていてくれてるはずのYさんにメッセージ送信。

「予定より全然早く着きそう」

 そう、サハラマラソン同期の彼女は、事前に私の補給希望まで聞いて、到着予定時間にそのエイドにいるはずだったのだ。
 まあ早い分にはいいだろう、喜んでくれるに違いない(勝手)。

 よし、行こう! さっきの会話で、あと4時間でなんとかいけそうな気がしている。立ち上がって勇んでエイドを出る。

 そこで驚いた。
 脚が動かない。

 眠いとか疲れではない。
 さっきまでの脳神経はどうなったんだ。
 動かそうとすると膝に痛みが走り、とてもイメージするような動きができない。関八州見晴台までの登りをありえない遅さで登る。
 これは無理か? 当日中なんて夢だったか。
 ともかく、慣れた山道を一歩一歩進みます。登りはまあ大丈夫、下りは激痛。姿勢や足置きを工夫して軽減するしかない。数人に先を譲る。
 飯盛峠まで着いて、再々度の痛み止め服用に踏み切る。しばらくはまだ効果が出ない。
 それでも、だましだまし進むんでいれば予定より大幅に早くフィニッシュできることに変わりはないだろう。登りはそれなりに、下りは試行錯誤しつつ慎重に、進んで行く。

 最終エイドへあとわずかの丸山。10数年前に家族旅行で登った山だ。去年も今年も、試走で登った山だ。決して難しくはないぞ!
 言い聞かせて進み、先行ランナーを捉える。女子の1位を抜く(その後抜き返され、追いつけない)。
 ここらで思う。

「意外と私は登りの力がついたのかもしれない」

 A9県民の森エイドへ降りてゆく。手前の案内スタッフの声に聞き覚えがある。Yさんか! 歓迎してくれる。が、Yさんは、この時間帯ではエイドでのサポートには入っていないそうだ。
 エイドではこの後の眠気に備えて、ブラックコーヒーをいただく。なんでもYさんは私のためにドリップコーヒーも用意していてくれたそうだ。ありがとうございました。

 長い下り。ここでようやく最後の痛み止めが効いてきた。
 ようやく、とはいえ無事に終了できそうだ。
 この区間では2〜3人が先に通過していったはずだ。

 ロードに出る。つまりあと3km程度だということだ。
 ダッシュではないが、スピードを上げる。横瀬からゴール会場までの間に一人を追い抜く。彼曰く

「もう、この後は余韻を楽しみながら行きます」
 
 …大人だ。

 僕はいい歳して、まだ大人になっていないんだろうか。
 それでも、「走れる間は走る」。彼を抜いてもスピードは緩めない。
 そのときの自分に、許された最大限のスピードで走るべきなんじゃないだろうか。一応スピードを競う競技なんだから。

 ゴール時刻は23:21。
 結構上位(総合26位)だったのですが、直前に女子1位がゴールしていてインタビュー中だったので、注目度はゼロ。
 いいんです、自分が自分の目標を達成したことは、自分だけが知っていれば。
 当初想定より大幅に早く、当日中のゴールとなりました。

ゴール後


 この時間にゴールしても、帰りの電車はない。武甲温泉が24時間受け入れてくれていたので、そちらへ向かう。
 入浴・仮眠。
 仮眠のために大広間も開放してくれていた。
 翌朝、二便か三便で横瀬駅まで送っていただき、帰路につく。

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第4回 峨山道トレイルラン 完走記

 2018/10/19、峨山道トレイルランを完走しました。昨年は悪天候で短縮されてしまったので、全行程を走ったのは初めてです。記録は09:10:41。「峨山タイム」と称する10時間を切り、しかも49歳以上の峨山タイム突破者の中で上位に入ったため「五哲賞」として表彰までしていただきました。

前日


 北陸新幹線は高額なので、昨年同様高速バスを利用。金沢に前日の朝到着。
 前日受付は羽咋にて午後からなので、昼までは金沢で時間を潰します。

 まずは金沢駅のコインロッカーに大荷物を預け、兼六園方面へ散歩(ランではない)。近江町市場で朝食。
 そして昨晩はバス車中だったので、「金沢ゆめのゆ」へ入浴&休憩に。駅前に便利な日帰り入浴はあるんだけど、某ホテルチェーンは使わないことにしているので1.5kmほど歩く。ゆっくり休憩して、近くの寿司屋で昼食。金沢駅まではゆめのゆの送迎バスで戻る。

 電車で羽咋へ向かう。車中にはトレイルランナーらしき姿がちらほら。駅には大会の送迎バスが待っていた。
 受付開始時刻より早く着いてしまったが、整い次第で受付してくれた。

 その後開会式とブリーフィング。コースの解説で「後半の鉄塔アップダウンあたりは結構ぬかるんでいる」との情報。まあ後半だけなら、走り慣れたソックスとシューズでいいか。一応防水靴下も用意してきたんだけど。

 質問コーナーでは「タイムを狙うなら、50kmまでで半分、と考えて脚を温存すること」とのことでした。

 前泊は、羽咋市武道館(体育館)の仮眠所、無料です。
 この大会は、羽咋の「永光寺」と輪島の「総持寺」をつなぐワンウェイ約70kmなのだが、その背景にあるのはこの二寺の住職を兼任していた「峨山禅師」の健脚である。毎日、両方の寺を行き来しての朝の行を欠かさなかったという。
 そんなこと聞くと、「じゃあ前泊は寺に泊まって、ゴールしたらもう片方の寺に後泊」っていうプランが自然に思い浮かぶ。昨年はそうしたんですが、今年は経費節減のため、お寺の宿泊は後泊だけにしました。

 駅と武道館の間に見かけたスーパーへ朝食の買い出し。帰りに、「金沢ゴーゴーカレー」で本日の夕食。
 アルミマットと寝袋で就寝。02:30にスタート地点へバス送迎となります。朝食はその前に。

スタート前


 スタート地点のバス駐車場へ到着、荷物預け。羽咋からわざわざバスで輪島まで持ってきた荷物を、ここで預けて改めてゴール後に羽咋で受け取る、というなんか効率のよくない運送(まあ直前に荷物の出し入れする人もいるからしょうがないか)。

 門前会館まで人波に任せて少し歩く。
 門前会館には、昨日すでに羽咋から輪島まで片道73kmを走りきった精鋭たちが仮眠している。彼らもこれから復路を私たちと同時スタートするのだ。今年はこの往復レースも試行されていた(参加が招待選手だけだったのが残念だ)。

 トイレ以外に特にやることもないので、スタート地点に近い建物へ移る。ここで、よくトレニックワールドのスタッフをされている方たちと出会う。こんな遠くにもスタッフとして来ているようだ。向こうは受付時に私に気付いていたとのこと。
 スタート地点にはかがり火が焚かれていて幻想的。スタート待ちの間に、昨年同宿だったO嬢を見つけて声をかけることができた。彼女はこの大会に賭けていて、毎年少しずつ完走に向かって成長しているのだ。是非とも応援したい。

目標

  1. 全行程を通して完走する
  2. 10時間以内
  3. 昨年の順位(19位)を超える
  4. 49歳以上の10時間以内で5位以内(五哲賞)
 この中で、1.2.はほぼできると思っていましたが、順位に関しては相手のあることなので(しかも往復走る招待選手と本戦の招待選手を合わせるとちょうど18人。エリートランナーを何人か抜かさなければいけないということになる)なんとも言えないかな、というところです。

レース展開


 2列目くらいに並ぶ。偉くなったもんだw
 ちょっと肌寒いけど、網シャツの上に長袖Tのみ。走れば暑くなるだろう。今年は雨でなくてよかった。ヘッドライトはオン。
 05:00、和尚さんの合図でスタート! ちょっとだけ町を走った後すぐトレイル登りに入り、総持寺の境内へ裏から降りてくる。10番目以内をキープ。町から後はほぼこんな順位で動かず。
 A1古和秀水(こわしゅうど)で5位。総持寺の境内を出た後は、ちょうどいいペースで引っ張ってくれる人(Fさん@愛知県)がいたので、後ろに着かせてもらった。

 峨山(という山がある)はトレイルだが、その後A2稗造(ひえづくり)までは舗装路も多い。この辺が一番標高が高い(前半だけど、結構ぬかるみあったよ…話が違う!)のだが、ここまでの登りの斜度・長さはそれほどきつくなく、むしろ下りの舗装路で脚に負担がかかるパターンだ。あれ、膝がなんかおかしいな。調子に乗って飛ばしすぎたか。

 A3鉈打(なたうち)までの間に、何人かに追い抜かれる。膝痛いな。張り合って飛ばすと潰れそう。エイドでは基本水と塩しか出ない大会なのだが、わかっていればどうということはない。給水だけさせてもらって、食料は好みのものを自分で用意するだけのことだ。
 ちなみに準備した食料はこちら。
  • CLRBARちょっと重たくしっとりしすぎ。でもコーヒー味はナイトランにいいかも
  • 亀井商店のトレイルバー味はいいんだけど、形状はバーのほうが食べやすい
 さあ、ここからは去年走った短縮コースだ(ワンウェイの大会だが毎年逆方向になる)。風力発電のある虫ヶ峰の登り。昨年は引き離されたランナーの後ろ姿を見送ったことを覚えている。逆向きだけど、この山の登りを、今の私なら少しはマシに走れているんだろうか? スピードはそれほどなかったけど、斜度自体にはきつさをあまり感じることなく走れたと思う。

 A4土川の手前で、峨山道の絶対王者・F選手(当然往復組)に追い越される。ここからA5徳田まではかなり長く感じた。高速道路の下のエイド、ということを覚えていたため、高速道路の高架を見るたびに「そろそろか」と期待してしまったのと、いい加減ホントに膝が痛いのが原因だろう。距離的にはエイド間わずか11km。ここで順位を30位まで落としてしまっている。時刻は10:30前後。

 徳田では例外としておにぎりが提供される。が、私は他の軽食だけにしておいた。糖分で眠気がくることと、摂取した分だけ無駄に重くなりそうな気がしたので。
 そのままエイドを出てしばらくして思い出した。

 「おれ痛み止め持ってるじゃん」

 ドーピングして後半の鉄塔巡視路アップダウンに備える。これがはまりました。
 徳田を出てからF選手を抜き、細かいアップダウンを繰り返すA6矢田では26位(区間1:36)、さらに鉄塔の旅を続けて平地に降ったA7金丸では17位(区間1:24)まで盛り返しました。アップダウンの繰り返しは、やはり飯能アルプスをよく走っていることがいい練習になっているのでしょう。
 さて、この時点で自分の順位を見る余裕はありません。10時間は大丈夫そうだけど、順位の目標クリアできるんだろうか?
 できると信じて全力を尽くす以外にありません。全力で臨まなかったらまず間違いなく達成できない、ギリギリの目標だから。幸い、膝の痛みはすっかり消えています。

 私「あと何kmでしたっけ?」
 A7「う〜ん、5km? は、ない…と信じたい!
 適当か!
 私「信じません!(笑)」こういうシーン、よく騙される(ラクさせたいという善意に)ので。

 いや、本気で残りの距離は知りたいんですよ。ボトルに補給するドリンク量を調整したいのでね。よし、真水を入れていこう。間に合うことが分かった時点で捨ててやる。
 ともかく後は川沿いの平野部を駆け抜けて、永光寺の山に駆け登ればフィニッシュです。

 ここからは誰にも抜かされず、永光寺の山道では歩いていた選手を一人追い抜きました。 意外ときつい登りの裏山でしたが、距離はそう長く続きません。寺に向けて駆け下りてくると境内裏手の駐車場でスタッフが「山門まで下って石段を上がってください」と誘導しています。下りきったところでボトルの水を頭にかけて空っぽに。できる限りの力で石段を登り、ゴール。
 総合16位となり、無事に目標は全てクリア。申し分のない結果でした。

 ゴール後、飲食をしているところで表彰に呼ばれました。賞状に記念品、記念撮影まで。こんなにまともに表彰されるのは初めてです。嬉しいもんですね。

その後


 さて、知り合いのO嬢やSさん@大阪(同じく昨年同宿)のゴールを見届けたいが、速報を見るとまだ先のようです。その間に汗を流そうと送迎バスでユーフォリア千里浜の温泉へ。この大会の送迎バスは運行が柔軟。温泉から帰りのバスの予約はできなかったけど、歩いているうちに通りかかったバスに乗せてもらえました。

 後泊は永光寺の宿坊、昨年の前泊場所です。人数は計5人と、今年は少人数でした。
 相部屋の二人(初対面)はすでにゴールして部屋にいましたが、私は荷物だけ置いてすぐゴール地点に戻り、知り合いの二人を待ちます。
 残念ながらO嬢は無念のリタイヤ(それでも以前よりもちょっと進めたという)となってしまいましたが、Sさん@大阪を境内で出迎え、ゴールシーンを見届けることができました。奥様も応援に来られていた甲斐があったでしょう、おめでとうございました。

 Sさん@大阪は昨年同様宿坊泊まりかと思ったら、奥様と動くので別のところだそうだ。O嬢は同宿。
 相部屋の男性陣、Sさん@熊本、Oさんとは、目標とする大会・出場する大会などの話がはずむ。女性陣はもう一人、S嬢。男性陣は相部屋だが、女性はそれぞれ個室だったらしい。今回の同宿の皆さんとはそれぞれFBやLINEの連絡先を交換させていただいた。遠くにいてもそれぞれの頑張りが刺激になる、良いつながりができたと思う。
 中でも、Oさんにはその後FTRの個人的な試走までお付き合いいただいた。感謝。

 翌日、金沢まで電車で移動、それぞれ帰路につく。私は高速バス(わりと慣れた…また出るときにはこのパターンだな)。

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第5回上州武尊山スカイビュートレイル回顧録

 2018/9/23-24、上州武尊を走ってきました。結果は20:45:29、トータル15位。40代男子の部3位でした。24時間が切れればいい、と思っていたので、もう言うことありません。

 前年の完走者・Kさん(みちのく津軽で同宿)から、事前情報をいただいていました。要注意ポイントと認識したのは、
  • A2~A3はメインの武尊山を含む長い区間で補給がない。ドリンクの予備があるとよい
  • 笹藪を刈ってつけたルートがあり滑りやすい
  • 武尊山への登り以降、足元は泥だらけになる。ドロップバッグにシューズとソックスは替えを用意した方が良い
 前日に現地へ向かう電車内で、朝の階段仲間・Mさんに遭遇。そう、確か去年も出たといっていた。この人、前泊は建物脇でツェルト泊だそうだ。強者。
 私の前泊はサハラ仲間のHさんがとってくれた、ロッジ岩田渡。正月に箱根往復で一緒に走ったNさんも一緒です。もう一人のサハラ仲間Nさんは残念ながらDNS(UTMBでの故障…まあ、そっちをやり切ったんだからいいじゃないか!)。
 スタート地点に最も近い、便利な宿でした。
 スタート地点にはサイラーの姿が数人。Tさん、Yさん(たまたま同宿だった)に声をかける。

 05:00スタート、川場村のロードを駆ける。Hさんと暫し並走。彼は大事な用事があるので帰りの時間に間に合うようにゴールしなければいけないとのこと。

 ヒルが多いという山道区間を通るが特に何事もなし。
 A1川場スキー場までは、ロードの峠走が多い印象。それなりに頑張って走っていたら、同じくらいのペースの選手が声をかけてくれた。長野から来たそうだ。「長野なら山の練習場所には困らないでしょうね」と言って気がついたが、そういえば長野の大会って出たことないな。
 途中、左手に形のいい山がポツンと目立って見えた。案内スタッフに山名を聞いたが、わからなかった。まさかそんなこと聞かれるとは思っていなかったようで、「えええ~!?」と大げさに驚かれてしまった。地元じゃ珍しくもない、名もない山なんだろう。

 A1からは武尊山へと続く剣ヶ峰の尾根を辿る。気持ちのいい山道だ。ここでサイラーのYさんの後ろにつくが、彼はすぐに先へ行ってしまった。写真撮ったりしながらも余裕の軽快な走り。
 剣ヶ峰からは激下り、そしてガレた林道とキャンプ場のある舗装路で高度を下げてゆく。
 やってきたのは宝台樹スキー場。名物・ゲレンデ登りの始まりです。さすがに駆け上がることはできませんね…。
 登って、降って、キャンプ場の裏手から元の道へ出てきます。ここからはしばらく対面通行。この区間で、Tさん(トレニックワールドの大会ボランティア仲間)、Oさん(奥三河パワートレイルで同宿)とすれ違う。

 やがて対面通行区間も終わり、上州武尊へ向けて左折し、高度を上げていく。ここらで速い女子選手に抜かされるとき、「すごくキレイな効率の良いフォームですね!」と褒められたのは良い思い出。

 山道に入ると、ところどころ刈りっぱなしの笹の根の道が滑りやすい。武尊山の山頂には、思っていたよりあっけなく到着した。日本武尊の像があると聞いていたので、記念撮影のために少しだけコース右手の山頂へ寄り道をする。
 あれ、銅像ないじゃん! ここじゃないのか…。
 コースに戻って下り始めると、直下に銅像がありました。その時はもう走るモードだったので、写真はなし。山頂は曇ってたし、まあいいか。

 急な下りを終えると、緩い下り坂の走れるトレイルです。問題は、ぬかるみ。しかし!事前情報を得ていた私は、防水靴下で万全の装備なのだ。

 その装備とは? 内側に紙繊維のソックスで吸汗!

 そして外側に防水靴下

 という構成の二重履きです。これで完璧!

 そんな難所を越えて油断したのか、緩い下りのなんの変哲もない砂利道で激しく転倒。右手をついて回転したが、右手小指をひどく突き指してしまった。
 歩きながらザックからテーピングを出して応急処置を試みる。上手くいかない。諦めて立ち止まり、荷物を降ろす。湿布をナイフでカットして小指にテーピングで止める。グローブの上から小指と薬指をまとめてテーピング。
 脱いだグローブをはめなおす時が激痛だが、それ以外は固定していればまあ影響なさそうだ。ただ、右手で木をつかんだりはしないようにしよう。
 そんなことしている間に、男女数人が軽快に目の前を通過していった。

 気を取り直してA3ほたか牧場へ。時刻は13:00頃。まずはトイレを借りる。軽くエイドの飲食をいただいて出発。牧場を出てしばらくはそれほど傾斜のないルート。軽快に走っていたつもりが、ふと気がつくと左肩に挿していたはずの地図がなくなっている。どこで落としたかは全くわからず、さすがに探しに戻る気はしなかった。地図は必須装備だけど、YAMAPの地図はあるからまあいいでしょう(この大会の公式地図は、見づらく誤植が多く、いただけなかった)。

 この辺りからゲレンデ登りの連続。A4かたしな高原スキー場あたりで、ミドルコースの最後尾に追いつく。以後、ミドルのランナーたちと並走することになる。
 十二様を過ぎて、登り道でミドルコースのランナーを追い抜くと、彼曰く
 「あれ?そのゼッケンには、まだ抜かれてないと思う…たぶん年代別入賞できますよ!」
 マジか。

 A5オグナほたかスキー場に向けてゲレンデを下りている最中、右肩のドリンクが突然バシャッと身体にかかり、何事かと焦りました。ソフトフラスクのストローが抜けてしまったのだ。この時はストローを差し込めばそのまま使えそうだと判断して先を急ぎます。
 A5ではドロップバッグが受け取れるので、シューズも含めて全取っ替えします。防水靴下を脱いでみると、見事に濡れからは保護されていました。後半も新しい防水靴下で同じ構成で行きます。
 同じように全取っ替えしていたランナーが先に出て行く。毎年のように出場していて、毎回最後の方は気持ち悪くなってしまうそうだ。それでも完走しているんだから大したもんだ。

 再スタートすると、ミドルコースのランナーたちと半々で進んでいく感じ。ただ、彼らは割と後ろの方の選手なので、次々にパスしていきます。
 その後、日が暮れてからの林道をA6に向けて走行中に再度ストローが抜けてしまい、今度はどう探しても落としたストローが見つからず、諦めました。
 次のエイド赤倉林道で訳を話し、空いているペットボトルを分けていただきました。助かった! A6は19:00頃通過したが、この時点でここで休む人もちらほらいたようです。

 この辺の下り基調の砂利林道を走っているときは本当に楽しんで調子よく走れていて、たまたま追いついた女性ランナーに「今日は最高のナイトランですねー」と話しかけてしまったほど。
 向こうは少々疲れて余裕がなさそうだったから、ちょっと嫌な奴になってしまったかも。でも僕はやっぱり、夜のトレランが好きなのだ。

 しばらくするとミドルコースと道が分かれます。ロングは右手へ、無駄に長い距離を走るコースです。ここはずっとひとり旅でした。YAMAPで現在地を確認すること数回。
 長い林道ひとり旅から里に出ると、A7太郎大日堂。ここで眠気覚ましにコーヒーをいただきます。久々のカフェイン入りのコーヒーは最高でした。
 ゴールまでの時間を尋ねると、1時間では無理、24:00はまわるだろう、という予想。あと一山(というか、ひと山脈というか)、約20km。

 ロードで峠道を浅松山へ登って行きます。200mほど先に先行ランナーのライトが見え隠れしています。登りの途中の給水所で追いついた相手には「登り、強いですね!」と褒められる。謙遜しながらも嬉しい、そして思う。以前は、下りが速いと言われることはあっても、登りで褒められることなかったなー。
 上の方はちょっと工事中で戸惑う。この山から下るとあとは緩いアップダウンの林間トレイルになります。ミドルコースのランナーたちと再合流し、走れる区間。みんな、ロングの選手と見ると道を譲ってくれます。有難い。譲られた以上、それなりのスピードで行かなければ。
 この区間はノリに乗って走っている感じで、疲れも感じない「ゾーンに入っている」状態だった。実際A7~ゴールまでのタイム=3:25は、40代の1位(総合10位)・2位(総合12位)の選手よりも速かったはずだ。
 そんな走りやすいトレイルも終わりに近づき、最後には雨乞山の手前のエイド。「まだ200m登ります」というのでドリンクを補給してもらったが、200は高度ではなく距離だったようだ。ちょいと登ってあとは下り。
 意外と最後の下りが急坂で滑りやすく、また転んでしまいました。まあよくあること。川場村はもうすぐだ。

 ロードに出て、おそらくはミドルであろう数人の選手を追い抜く。拍手で送ってくれる。
 土手を辿って、小さなライトで装飾された橋を全力で駆ける。そしてゴール!
 途中で教えられたとおり、40代男子の3位に入れました。最後まで走ってゴールできたので満足度は非常に高いです。

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みちのく津軽ジャーニーラン後悔記

 トレイルではなくロードの大会です。公道を地図を見ながら走って進み、補給は各自コンビニなどどこに寄ってもいいというジャーニーラン。昨年(250km)は200km前後で無念のリタイヤ。
 2018年は二度目の挑戦でロング(今回は263km)完走しました。しかし、大会中に出場を後悔したのは初めてです。辛い旅路だった…。

計画


 せっかくなのでスパルタスロンの出場資格の延長を目論み、36時間完走という無理めの目標設定を思いついた。ざっくり約90kmずつ三分割して、10時間、12時間、14時間で行けないだろうか。

 嶽温泉19:30、日本海拠点館22:00、亀ヶ岡遺跡24:00、鰊御殿03:00で三分の一。
 龍飛地区コミュニティセンター07:00、ふれあい文庫09:00、道の駅たいらだて11:00、ふるさと体験館15:00で三分の二。
 総合文化センターパルナス19:30、金木町観光物産館22:00、道の駅つるた24:00、松の湯交流館03:30、ゴール05:00で完走予定。
※ちなみにゴール地点での入浴は08:00から

 ロードのロングといえば、選ぶシューズはこちら。
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経過


 サハラのテントメイト、Uさん、Mさん(ゴール後はM旅館に泊めていただく予定)とともにスタート。先導ランナーの直後(追い越し禁止)をMさんと進む。適度なペース。暑いけど、夕暮れだし関東の比ではない。
 市街地を出てからは自由走行、嶽温泉あたりではUさんと前後しつつほぼ目標ペースで進めた。

 嶽温泉を出てからヘッドライト装着、スイッチの接触が良くない。電池を入れ替えて無事点灯。5時間15分ほどで日本海拠点館。

 国道101号から県道12号へ左折する地点のローソンでアイスなど補給。アタリが出てもう一本ゲット。亀ヶ岡遺跡には約30分遅れの24:30ごろ到着。

 十三湖で東の空が明るくなってくる。走って夜明けを迎えると、いつも「今日も夜に負けなかった」と、自信とも感謝ともつかない感情が湧きあがってくる。
 鰊御殿には04:30、1時間30分遅れ。この区間30km近いから、私が3時間で行けるわけなかった。計画が粗かったな…。

 津軽の像記念館はエイドなしのチェックポイント。トイレをあてにしていたのだが、時間外でシャッターが降りていた。峠を越えてからの道の駅までガマンする。

 海岸線から竜飛崎方面へ激坂を登って行く。昨年の失敗ポイント、ここで張り合ったり出し切ったりしちゃいけない。

 暑い。
 風がない。
 日差しを遮る物がない。

 セーブしながらも、歩くことだけはしないように走る。走りを止めて歩いたら直射日光の圧力で潰されそうだ。
 眺瞰台に近づくとようやく風が感じられた。蝦夷地から海峡を渡ってくる風だろうか、南側の麓とは気候が違う。

 眺瞰台に到達。ゆっくりとはいえ走りきったので、登りで歩いていた人を一人パス(そしてすぐに追いつかれ、下りで抜き返されるという…)。下りでは膝を痛めないように気をつけて進む。竜飛崎の灯台に着いたのは9時過ぎ。ここでUさんのDNFを知る。と同時に、さすがに36時間は無理と悟り、ともかく完走に気持ちを切り替える。

 竜飛地区コミュニティセンターのエイド、シューズを脱がなければいけないのが煩わしい。この先のコンビニ有無を尋ねると、三厩にあるとのこと。じゃあ隣町だからすぐだな、というのは勘違い。田舎の町の間は長いのであった。
 行政区分で三厩に入っても、町の中心まではまだまだ、そしてにわか雨。そのまま走り続け、股擦れを誘発。雨でも走ったので漁港前のコンビニで余裕の雨宿りをしていた先行グループに追いついたが、ここで朝食休憩としたので差は変わらず。

 昨年はこの辺りで足首へのダメージがひどく、途中の商店で私物の湿布を分けていただいたのだった。今年はセーブしていたけれど、やはりダメージがある。痛み止め、湿布を持たなかったのは失敗だった。
 ここらではまもなく地元のマラソン大会があるようで、興味を持って話しかけられることが多かった。

「どこから走ってるんですか」
「弘前です」
「で、ゴールはどこ?」
「弘前です!」
「うわぁ…」

という会話を何度も経験。

 今別のふれあい文庫への分岐、昨年はここでコースを見失ったのだった。今思うと、どうして間違えたのか不思議なくらいの明瞭な分岐。ふれあい文庫10:21到着。トイレは図書館内のものを借用するため、またシューズを脱ぐのがひと手間。

 この先が新コースで、海岸沿いに陸奥湾の方へ回る。店も自販機もしばらくないだろうから、早めに民家に声をかけて水を補給させていただく。ところが岬を登りきると鋳釜崎にキャンプ場があり、奇跡的に自販機も。キャンプ場の水道で、しばし膝〜足首をアイシング。
 「一本木漁港」という標識を見かけたので「もうここまで進んだのか、意外と早かったな」などと思っていたら、その後にも複数同名の標識があり、精神的にプチダメージを受けつつ進む(現在地の勘違いだった)。半島の東側に回ると下北半島が見える。

 出発から23時間半ほどで158.7km地点、道の駅たいらだてに到着。ここでもエイドすぐ横の水道でアイシング。ボラのIさん、椅子を貸してくれてありがとう。
 しかし、160kmってこんなに長かったのか。1kmごとの進みが遅くて嫌になる。誰だよ、ここに11:00到着の予定立てたのは…もうすぐ17:00になるぞ。

 さて、なんとか痛み止めや湿布を調達しておきたい。松前街道(旧道)で唯一の商店に立ち寄り、尋ねてみたら昨年の再現、私物の湿布を分けてくださった。おばあちゃん、ありがとう。

「昔は店もいっぱいあったんだよぉ。いまは蟹田までの間に一軒しかない。今日中に弘前まで行くんだって?」

 いや、おばあちゃん、今日中に、ってそれトップランナーからの情報ですね。みんなが立ち寄ったんだな。

 蟹田で右折、内陸へ入る。900m先に何やらドラッグストアがある雰囲気。大きな看板だ。しかし看板に書いてあるのが店の固有名詞だけだとよそ者にはなんの店なのか判別できない。ツルハのマークにイメージが似てるので希望を持つ。
 結果、看板のマークの店はスーパーでしたが、隣に「ハッピードラッグ」という葉っぱでも売っていそうなゴキゲンな店があり、痛み止めと湿布、日焼けの鎮静ローションをゲット。とりあえず痛み止めだけ服用してふるさと体験館へ道を急ぐ。

 iPhoneの充電がうまくいかず、緊急時のバッテリーをとっておくため、ふるさと体験館で計測を終了した。スタート後約27時間半、20:31にエイド到着。
 ここは仮眠ポイントなので休んでいる人もいた。私は身支度と治療だけを行うことにする(眠らずに走るの、ずいぶん慣れたもんだ)。
 カレーやうどんなど軽く食事をしてからシャワーを利用、股擦れにワセリンを塗ってドロップバッグの着替えを身につける。日焼けのケアをして湿布を貼り替えテーピングで止めて出発。

 夜の県道12号をひたすら進む。暑さはもうないが、さすがに眠気で思考力が失われている。橋などで見覚えのある地名を目にして、「ここは練習で何回か通って、こういう注意点があったような気がするな…」などとぼんやり思ってから、「いやいや、俺去年の大会の時しかここに来たことないぞ!」と思い直す。幻覚は見なかったけど夢うつつな感じ。そうだよな、昨晩スタートで走りっぱなしだから二晩目だもんな。
 国道339号に合流するまでのこのルートが長い、という記憶自体は、残念ながら幻覚ではなく確かな事実であった。

 国道からは188km組のコースと合流、少しはランナーの姿も増え、心強い。昨年はパルナスへの入口も間違えたのだが、今年は地図に目印のスーパーストアが記載されていたので迷わず到着。しかし、公的な標識には「パルナス」という名称が全く書かれていない、わかりにくい施設だ。
 エイドの軽食を食べてから、アルミマットの敷いてあるエリアで約一時間仮眠。足はザックの上に乗せ、少しでも高くしておく。椅子を貸してくれ、ってわがまま頼んでみても良かったかも。

 明け方、パルナスを出発、約8km先の金木町観光物産館を目指す。埼玉から来た188kmランナーと同行。前半は走っていたが、後半は歩きに切り替えたとのこと、ポールを使ってそれなりの速さで歩いていた。04:56、212.1kmの金木町観光物産館に到着、まもなく36時間経過というところ。

 改めて思う。「220km以上のノンストップレース36時間以内」っていうスパルタスロンの参加条件、やっぱり相当厳しいんだな。

 単独ですぐにエイドを出発。太陽が低いうちに少しでも距離を稼いでおきたい。幸い、夜明けの空はまだ薄雲が日差しを遮っていて、ここまでは暑さを感じることなく来られた。
 しかし五所川原に着く頃には、朝だというのに完全に真夏の日差し。国道の交差点でファミリーマートに立ち寄り、中華サラダで朝食とする。塩分の不足と、甘いドリンクの気持ち悪さを感じる。

 まっすぐな長い国道339号を、昨年のリタイヤ地点・道の駅つるたへ向かう。道の駅まで4kmの標識が出てからもまだ長い。交通量は多いのにコンビニや飲食店がほぼないという呪われた地帯だ。ご丁寧なことに、昨年リタイヤ後に立ち寄った希少なコンビニまで廃墟になっていた。

 やっとの思いで着いた道の駅つるた、エイドのある木陰は風も吹いて涼しい天国だった。麺類、フルーツなどを補給する。場内の離れたところで水道の水をかぶる。足のアイシングよりも、頭と首筋の熱中症防止の方が大事だ。木陰で少し横になって行こうかと思っていたが、かぶり水で多少はましになったのでそのまま出発、未踏ゾーンへ。

 単調な熱い国道ジャーニーがまだ続く。暑い。板柳あたりで進行方向に大きな店舗の看板が見える。クルマ屋かな、ホームセンターかな? あれが何の店だとしても、絶対中に入って一休みしてやる!と決めてそこまでを進む。
 ラッキーなことに、ショッピングモールだった。スーパーで冷やし中華を購入、イートインスペースで休みながら食べる。188kmの女性ランナー二人組が先客だった。

 スーパーの商品持ち帰り用の氷をビニール袋にもらい、バンダナで包んで首筋を冷やしながら進むことにした。
 さらに数キロ進んだところで私設エイド開設の現場に居合わせ、ここでも氷を分けていただいた。感謝。
 「あと3kmくらいでエイドですよ」と励まされる。スポーツプラザ藤崎のエイドのことだ。チェックポイントではないし、来たこともなかったので意識の外だった。思いがけず水分補給ができる、ただ、建物前の路上なのでかぶり水はない。

 エイドを出て国道を外れ、県道110号を田舎館村へ向かう。もう残るは20kmちょい、たったのハーフマラソンだ。歩いても最終関門には間に合う。前後の他のランナーたちも、みんな歩くのが精一杯のようだ。ここまでの距離を来て、この暑さで、それでも走れるような人は、もうこの順位にはいなかったんだろう。私も歩いて進んで行く。

 日差しは強く風はない。
 手がむくんでいる。
 汗で湿布のテーピングがはがれる。
 頭が熱い。
 立ち寄れる店はない。
 公民館で、公園で、民家の軒先で、水道を見かけるたびに水をかぶる。
 残り少ない手持ちの塩分をとる。

 まだ行けるか。
 何とか持ちそうか。
 不確かな見通しを自問自答する。
 たった一つ、確かなこと。絶対来年は出ないぞ。

 約5kmを進んだところで、村では稀有なコンビニに到着。が、もう食べたいと思うものなどない。とにかく体を冷やそうとアイスを買う(今度はハズレだった)。
 この地点が、自分の感覚よりも1km以上手前だった。つまり、自分で思っているほど進めていなかった。この遅さでこのまま歩いていたら、炎天下にいる時間が長くなり、逆に倒れる危険がありそうだった。ここからは少し無理して走ることにする。走れば向かい風も感じられる。

 どうにか走って数人を追い抜き、252.3km松の湯交流館に到着、ここはかぶり水の用意があった。有難い。蕎麦とフルーツをいただき、出発。
 浅瀬石川の橋を渡る前にセブンイレブンに立ち寄り、トイレを借りる。アイスを買って顔や首筋を冷やしながら進もうとしたところで、トイレに地図と記録表を忘れたことに気づき、すぐ取りに戻る。ここからはほぼ一本道で最後のエイドまで約5km、ここも走る。

 田舎館村役場前のエイド到着、田んぼアートを見る余裕など全くなし。残るはゴールまでの5km、「これで苦行が終わる」その期待感だけを拠り所に、ここも走る。
 途中、公衆浴場でトイレを借りたのでそこで何人かに抜かれたはずだ。その他には、女性ランナーMさんの見事なスパートに追い抜かれた以外、走り続けて順位を維持したと思う。

結果


 ゴール時刻は16:23、出発後47時間23分の長旅だった。まる二日はかかりませんでした、ってことですね。
 「リストバンドと記録表をください」と言われて、地図と一緒に持っていた記録表を紛失したことに気がつく。公衆浴場か? それともその後走っていて落としたのか。ともかく最終エイドまでは記録していたので、最後の区間のどこかで紛失したのだ。
 まさか失格なんて言わないよね?

 幸い、わかる範囲の記録を書いて提出すればよいとのこと。リストバンドの計測結果から転記して完走証をもらう。40位でした。

 奇しくも、同宿のKさんが私よりひとり早くゴールしていた。そしてMさんは実はリタイヤしていたこともここで判明、車で迎えに来てくれた。
 夕食どき、Mさんはレースからの引退宣言。突然だが、旅館も守り続けようとすると、納得のいく練習やレースというのはなかなか難しいのだろう。
 豊富なステージレースの経験の中、サハラマラソンが最高だったとのこと。
 私がいつかまたサハラに行くときには、必ずMさんに連絡しよう。引退宣言したとはいえ、多分「行く」って言うんじゃないかな!

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ついに…マイラー

 2018/5/19-20、トレニックワールドin彩の国。結果を先に書きます。やっと100マイルのトレイルレース完走を果たせました! ここまで多くの方々からの励まし・見守り・応援をいただき、ありがとうございました。練習でも本番でも、ともに走れる仲間がいたことが、私には最大のアドバンテージだったかもしれません。

計画


 仕上げの実走で書いた通り、北ステージ8時間、南ステージ(前坂)12時間、南ステージ(周助山)15時間を目安にします。3周目はほぼ走れない予定なので、1・2周目で少しでも貯金を作っておくことがポイントになります。
 エイドごとの時間だとキリがよくないので、00分・30分での通過点を外さないようにゼッケン裏にメモしました。2周目がちょっとチャレンジング。

ゼッケン裏にメモした通過点の時間
ステージ経過時間地点
北ステージ
2.0h新柵山
4.0h笠山神社(下社)
6.0h刈場坂峠
8.0hサンピア
南ステージ(前坂)
1.0h大高取山
2.0h関八州見晴台(谷筋入口)
3.0h森坂峠
4.0h豆口峠
5.0h飛村
6.0h天覚山
7.0h橋本山
8.0hスカリ山
9.0h山々を望む丘
10.0h幕岩展望台
11.0hサンピア
南ステージ(周助山)
1.0h大高取山
2.0h四寸道前半
5.0h子の権現
7.0h周助山
9.0h天覚山
10.5h北向地蔵
12.5h桂木観音
14.0hサンピア


経過


北ステージ


 スタート。サハラ仲間のNさんが先頭で飛び出す。この人のスピードにはいつも感心する。引っ張って行ってもらおう。後ろからもう一人のサハラ仲間、Hさん。「いつもの試走メンバーですね」と声をかけられる。確かに…僕らはこの日のために埼玉の奥地に通いつめていたのだった。
 サンピアの裏山、後続の選手が来ない。気配も感じないほど。スタート前の主催者あいさつ「35時間ありますから焦らないように」ってのを真に受けたんじゃないだろうか。このレースは「たった35時間しかない」のだ。

 ロードに出て最勝寺の裏山へ向かう。ここでようやく見知らぬランナーが後ろから追いついてきてそのまま先頭で走って行く。速い。が、聞いた話ではこの方はその後ロストしてしまったそうだ。やはり試走が決定的に重要な大会。

 くぬぎむらの第一エイドまでに、走力の高い4〜5人に先頭を譲る。彼らも試走はしていないらしく、大楠の手前でミスコースしかかっていた(こっちです!と声をかけながら私が先に立ったが、大築山からは先に行ってもらった)。
 Nさんがどこかで計測用のリストバンドを落としてしまったという。が、エイドごとに本部に報告を入れてもらえば失格ではないとのことで継続。よかった。
 くぬぎむらは1h35ほどでに到達。去年もこのくらいだったな。いつもならトイレは行けるときに行っておくのだが、ここで寄るとグランドを横切る分時間ロスになるので、新柵山を降りた西平運動場の道沿いトイレを使うことにして出発。

 新柵山への登りではNさんについていけないが、2時間を予定していた山頂を1h47で過ぎる。いい調子。
 山を降りてトイレに立ち寄っていたら、先頭集団が後ろからやってくる。どこかでロストしていた模様。やはり試走が(以下ry
 慈光寺の第二エイドでNさんにも追いつく。

 出発してすぐ登りでは離される。都幾山は黙々と一人で登る。金嶽では後ろから一人追い着いてきたので、山頂から先を譲る。

 笠山歩道(砂利林道)。なんとか根性で少しでも走ろうとしたが、山の神みたいに軽快に走り抜けることはとてもできない。わずかに傾斜の緩い10mくらいを走ってはまた歩きに戻す、という繰り返し。ふと先を見ると、Nさんも歩いていた。彼が歩くほどの坂なのだった。

 やがて山腹を横切るようにしてロードに出、笠山登山口手前の公衆トイレに着く。水道で頭を濡らしてすぐ出ようとしたら、トレニックワールドのOさんが車で到着、いなり寿司を届けてくれた。慈光寺エイドで準備が間に合ってなかったのだろう。ありがたく一ついただき、Nさんより先に出発。

 笠山神社下社は3h30で通過、30分の貯金ができた。山頂までの辛い登り、誰かに抜かされたかもしれないが、ひたすら一人で登っていたイメージしかない。ただ覚えているのは、頂上直下の石段を登る途中、見上げると先に着いた選手が次は左右どちらに行くのか一瞬迷っていた姿だけだ。

 笠山峠へと下り、ハイキングコースを堂平山へとつないでゆく。堂平山の第三エイドでトイレから出てくると、ちょうどNさんが到着したところだった。順調そうだ。どこかでFacebookに投稿して彼の速報タイムが出てないだろうけど心配ない、ってことをみんなにお知らせしてあげよう、と思う。
 白石峠から川木沢の頭への木段をバックにセルフィー撮影、高篠峠から大野峠上のパラ発着場へ向かう木段を歩きながら投稿。実際に近くにいるわけじゃないけど「一緒です」ってタグ付けしとけば私の知らない人にも伝わるだろう。

 カバ岳から飯盛峠への区間では、最終総合2位となった選手と前後して進んでいた。そんな実力者とは知らず「予定通りのペースですか?」と聞いたら「よくわかってないです…」との答え。それで結果が出ているんだからやっぱりすごい力のある人だったのだ。

 6時間を予定していた刈場坂峠は5h27で通過、30分の貯金をキープ。これで北ステージ8時間以内は見えた。

 飯盛峠からサンピアまでは終始一人旅。サンピアに近づくと、入口に誰か立っている。スタッフかと思ったら、見覚えが…サハラ同期の女性ランナーYさんでした。急遽応援に駆けつけてくれたようです。
 7h15でサンピア到着。エイドではこれまたサハラ仲間のUさん(DNSながら予定通り同室で前泊していた)が普通にエイドのスタッフとして働いている。なんだか嬉しくなる。

 1時間もすればNさん・Hさんも、仲間の歓迎を受けられるだろう。

通過点の時間 予定と実績
ステージ経過時間(予定)地点実績
北ステージ
2.0h新柵山1.78h
4.0h笠山神社(下社)3.5h
6.0h刈場坂峠5.45h
8.0hサンピア7.25h


南ステージ(前坂)


 20分ほどでシャツを替え(早くも2回転倒してた)、補給食を詰め替え、トイレに寄って出発。リスタート時刻は14:35。この間に、ほぼ休みなしで4〜5人が先にリスタートしていったようだ。
 ロードを五大尊に向かう途中、車で観戦?していたカップルから塩レモン飴をいただく。気持ちがありがたい。
 サンピアのエイドではスポーツドリンクがなかったので、五大尊の自販機で購入。こういうことも試走に来ないとわからない。やはり試走が(ry

 最初の目標地点、大高取山は0h56で通過、桂木観音エイドには1h05で到着。全く問題ないが、ここから関八州方面へと続く四寸道の登りを1時間弱で行けるかどうかが大事なところだ。

 まずは火の見下方面へと緩い下りトレイルを走って行く。メインルートを左に外れて、今年から変更になった山腹を下って行くと前方から2人連れの選手がやってくる。一人は昨年の完走者・Yさんだ。山腹に外れるところを見落としてメインルートを進んだ結果、次の矢印の指示を勘違いしてこちらに戻るように入ってきてしまったらしい。やはり試走(ry

 四寸道へと向かう横吹峠で二人を引き離し、ちょうど2時間程度で関八州見晴台の入口へ到着。谷筋を登りながら補給食を摂る。見晴台の直前で、先ほどの二人のうち一人が追いついてきた。まったく姿も見えていなかった距離を、あの登りで追いついてくるとはすごい人だ。

 関八州見晴台を下るところから森坂峠を登りきるまで、彼とは同行することになる。私が先に立っていたので、パノラマコースなどでは下りでちょっと無理をしてしまった。この辺りで左膝の痛みが出てくる。
 北ステージでは早めに痛み止めを服用していたので全く痛みを感じることなく走れていたのだが、そろそろ薬の効果も切れてきたのだろう。あと1回分しか持ち合わせがないので、しばらく我慢することにする。子の権現から先の下り区間が多くなるところで薬を効かせたい。

 森坂峠を登りきったのは3h20だった。計画よりは遅れたが、貯金もあるし誤差の範囲だ。

 子の権現までは痛みをこらえて歩き続ける。登りなので走ろうとしてもそう変わらないスピードだろう。これが後ろからガンガン抜かされたら相当焦ると思うが、幸い誰もこない。
 例外はさすがの完走者Yさんだ。子の権現ではしっかり追いつき、追い越していった。

 子の権現で痛み止め服用、自販機でドリンク補給、ライト点灯。4h25ほどで豆口峠を通過。下りが気持ちよく走れないと、竹寺が遠く感じる。
 竹寺エイドで「痛み止めってどこかで手に入りますか?」と聞いたのだが、ないとのこと。サンピアに戻ったら3周目は湿布を貼って凌ごう。「膝が痛い?気のせいですよw」ってエイドのスタッフも言ってるし。
 「先の2人が出たのはついさっきですよ!」との声に送られて出発したが、その後はついに追いつけず。

 薬が効いてきたようで、飛村への峠や飯能アルプスの下りはさほど痛みを気にせず進めた。飛村を5h30、天覚山を6h30に通過、ちょうど30分遅れということだ。もともとが15:00リスタートで間に合うように、さらに1時間短めの計画にしていたわけだから、まだ計画の範囲内だ。

 天覚山の山頂で、異物を除去してシューズを履き直す。補修箇所が崩壊しそうだ。「これは…3周目はビブラムだな。姿勢や足置きに注意した方が膝にも良いかもしれないし」と決断。その間に一人が先に通過していった。
シューズはボロボロ

 東吾野駅のトイレに立ち寄ってから吾那神社エイドへ。山頂から駅まではだいたい30分で降りてくるのが私の標準なのだが、5〜10分ほど早く降りてこられたようだ。眠気を警戒して、エイドでの補給も最小限にして出発。結果、橋本山は7h20通過と少し持ち直してきた。

 このあたりからサンピアまでの標準タイムはだいたい把握している。吾那神社からユガテまでは約30分、北向地蔵までが約30分、そこから桂木観音までが1時間30分、最後に幕岩経由でサンピアまでが1時間30分。つまり合計4時間で、サンピアまで帰れる範囲に来たということだ。
 ただ、今日は夜間走であり、北ステージの疲れがあり、膝が不完全なので、もう少しかかるかもしれない。

 実際は、スカリ山8h00、山々を望む丘9h00、幕岩展望台10h10、サンピア到着11:02と、申し分のない進行。これらのポイントをクリアしていくたびに、行ける!行ける!と確信が強まる。

 一本杉峠の手前では、途中私を抜いていった選手がしばらくして引き返してくるということがあった。身支度しているときに、予備のライトを置いてきてしまった、とのこと。「これですね!持ってますよ」十二曲の手前のロードでたまたま見つけて、拾ってきてあげてよかった。よく戻ろうと思いましたね、と聞くと、「一応レギュレーション(二灯必要)違反になるので…」とのこと。なんかみんないい人だ。

 そんなこともあり、サンピアまでの残り区間で一番辛かったのは、みんながよく言う「吾那神社から桂木観音までの長い無補給トレイル」ではなく、最後の大高取山からの長い下りトレイルでした。膝の負担が…。それでもサンピアに戻れば湿布が貼れます。

通過点の時間 予定と実績
ステージ経過時間(予定)地点実績
南ステージ(前坂)
1.0h大高取山0.93h
2.0h関八州見晴台(谷筋入口)2.0h
3.0h森坂峠3.33h
4.0h豆口峠4.42h
5.0h飛村5.5h
6.0h天覚山6.5h
7.0h橋本山7.33h
8.0hスカリ山8.0h
9.0h山々を望む丘9.0h
10.0h幕岩展望台10.17h
11.0hサンピア11.03h


南ステージ(周助山)


 湿布を貼ってタイツを履き直し、補給食を詰め替え、シューズをビブラム5フィンガーに替えて出発。リスタート時刻は02:05。
 「今から14時間で…午後4時くらいには帰れるな!」とUさん。いやいや、俺ほぼ全線歩くんですよ、これから。15時間がギリギリでしょう。多分Nさん・Hさんには抜かれるはず。
 最後の一周、走れる限りは走りますが、基本的には早歩きレベルでの完踏を目論む。

 大高取山1h10、四寸道前半2h05とほぼ計画通り。湿布薬というのも結構効くものだ。

 時刻は明け方、関八州見晴台に登って行くと風が冷たくちょっと冷える。高山不動エイドでホットコーヒーを入れていただく。ここからしばらくはレインウェアを防寒用に着込んで走行。

 子の権現5h15、ここでトイレ利用。
 竹寺には6h02で到着。この辺から、最後の一周に力を残していたランナーたちに次々と抜かされていく。
 竹寺出発時には、すぐ後ろをついてきた二人連れに「道わかりますか?」と聞かれ「もちろん」と普通に答えてしまった。わかることはわかるけど、もう先導するスピードは残っていない。仁田山林道よりも手前で「この先はこんな感じの尾根道です、お先にどうぞ」と先に行ってもらう。

 周助山までの尾根道、痛みがなければ気持ちよく走れるトレイルなのだが、辛い歩き通し。それでも周助山に7h20で到着、何とか完踏ペース。

 原市場の住宅街に降りると、駅伝アンカーを含む数人が追いついてくる。素晴らしいスピード。高山の登りで先に行ってもらう。

 高山への登りがきついのはもちろんだが、普段はあまり気にならない天神山北峰へのアップダウンが堪える。それに耐えて種木へ降りると、ご褒美が待っていた。なんと私設エイドが! ガリガリ君をいただき、リフレッシュ。ここでさらに二人に抜かされるが、天覚山の頂上まではなんとかついていけるペース。ここはそれだけスピードの出ない、直登ルートだということだ。
 頂上では一人が写真を撮ってくれた。ここで8h50、なんと計画よりも早く山頂に着いていた。

 吾那神社には9h24で到着。あとは前述したようにだいたい4時間あればサンピアに帰れるはず。計画は北向地蔵までの登りを30分多く見積もっていて、実際10h35だったので、これはほぼいい読みでした。

 桂木観音エイドには12h34で到着。トイレを利用、洗顔とかぶり水でだいぶリフレッシュ。ここまではやや脱水気味で本当に足が動かなかったのが、ピコピコハンマーで気合いを入れてもらって出発すると、あれ?下り坂をちゃんと走れる。
 濡れタオルを首にかけたのがポイントでした。首筋や脇の下を冷やそう、という基本でしたね…。

 トレイルに入る手前、後ろからクルマがスーッと近寄ってきた。応援の声をかけられて驚愕、NさんとHさんが乗ってる! なんと二人とも事情があってリタイヤしてしまったとのこと。走力十分、2周目まで完全にこなしていながらのリタイヤ、その無念さは察するに余りあるが、いくら書いても書ききれない。二人がそれぞれ消化し、来年に繋げていくのだと思う。

 最終ゴールのサンピアまでも、六角ベンチ付近、大高山からの下り、住宅地に出たところなど、何人かに抜かれながら進む。ここを全力でスパートかけられたら最高なんだが、残念ながら…。

通過点の時間 予定と実績
ステージ経過時間(予定)地点実績
南ステージ(周助山)
1.0h大高取山1.17h
2.0h四寸道前半2.08h
5.0h子の権現5.25h
7.0h周助山7.33h
9.0h天覚山8.83h
10.5h北向地蔵10.58h
12.5h桂木観音12.56h
14.0hサンピア14.52h


 最後はサンピアにクルマで先に戻っていたNさんたちが出迎えてくれる。33時間36分、28位でのゴール。
 決めのポーズも何もなく、ただただやりきったという感覚。もちろん嬉しいのだけど、まだ何か先があるという感覚。

 これは最後に全力でゴールに向けて駆け抜ける、ということができなかったからなのか、それとも、仲間と一緒での完走が果たせなかったからだろうか。

 答えはまだきっと先にある。

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仕上げの実走

 2018/4/27(金)の夜から南ステージ(前坂コース)夜間走、続けて4/28(土)は南ステージ(周助山コース)を東吾野まで。翌週5/6(日)には北ステージを笠山まで。いずれもサハラ仲間とともに、最後の実地練習してきました。結果は下記。

仕上げの実走記録
日付コース距離(推定)所要時間備考
2018/4/27【越生駅から】南ステージ(前坂)201853.3km10:18:15夜間走
2018/4/28南ステージ(周助山)2018【東吾野まで】36.2km9:25:24
2018/5/6北ステージ2018【笠山まで】26.7km4:22:36

 夜間走のスピード練習は目標(10:30)達成できたけど、後半はこの1ヶ月で痛めた左膝が…。これは本番まで休養回復をしっかりやるしかない。

 そんな状態で、連続で南ステージへ突入。ほぼ早歩き・ときどき小走り、という程度で進むことになったけど、これが実際の3周目のちょうどよいシミュレーションだった。時間はギリギリでも、14~15時間必死で動き続ければ回りきれる気がします。

 この結果、3周目に15時間を確保しておくため、1周目8時間・2周目12時間を目標として完走を目指すべきだろうと判断。

 日を改め、北ステージ(1周目)を8時間で回るための前半のスピード確認へ。目標(4:10)より12分遅れで笠山山頂へ到達。結構必死で飛ばしてもこのざまですが、調子が良ければ後半(下り基調)で取り返せる範囲か?

 もうあとはなるようにしかならないので、しっかり休養とイメージトレーニングして臨みます。

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やっと最適なウエストポーチを手に入れた

 奥三河パワートレイルでは、この方式でスマホ(とバッテリー)を腰につけていたのだが、走行中のずれが気になっていた。やはり体にぴったりフィットするランニング用がいいようだ。

 購入候補はUltrAspire。

 なかなかよさそうだが、バックルでグッと締められないところが気になる。

 そこで選んだのが、mont-bellのクロスランナーポーチ。
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クロスランナーポーチ M ( 品番 #1123875 )
価格:2916円(税込、送料別) (2018/5/9時点)


 これなら締められるので私好み。メイン荷室にはiPhone8とバッテリーを重ねて収納できる。

 実際使ってみると、サブ荷室も小銭や塩タブレットを入れておくのにも使えてかなりよい。全体の荷重を考えて、荷室を前にしても後ろにしても安定して走れた。本番もこれだな。
※防水性は皆無。ビニール袋併用かな

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第4回奥三河パワートレイル

 本番前に最後の調整レース…というには余りもハードなレース、奥三河パワートレイル。

 ハードなコースで関門が厳しく完走率が低い。ただし、スパトレイルのようにひなびた温泉街で、すごくいい大会だと聞いて参加。
 目標は彩の国に向けて、
  • 最後に自信をつける
  • 軽く速く走り、厳しい関門を突破
  • 登りで足を止めず、リズムを維持

  •  具体的には
    • 上位10%に入る(いつもは20%前後なので)
    • 10時間を切る(昨年のスパトレイル72kmを目安)
    • 時間内完走(しないとおうちに帰れない。僻地w)


    • コースの概要

       愛知県の最高峰からスタート、長い下り区間を経てからが本番。
       彩の国に例えると、
      前半
      北ステージを笠山峠からスタートして飯盛峠からサンピアへ下る(下り区間はもっと長い印象)
      後半
      続けて飯能アルプスを前坂〜天覚山〜前坂の往復(斜度はもっとキツイ感じ)
      クライマックス
      最後に関八州見晴台に登って降りる

       …急登、階段、田舎の舗装路、砂利林道、など70kmに満たない距離によくこれだけ詰め込んだな、という感じ。

      経過

       トイレに並んでいたため、かなり後ろからスタート。最初の茶臼山登りは列になったけど渋滞というほどではなく通過。アップダウンを繰り返しながら順調に順位を上げていく。振り返ればAS1までに450人抜き。ここで鹿ジャーキーをいただく。
       経験者のアドバイスどおり、長い下り区間では後に備えて足を温存、何人かに抜かされるが後を追ったりしない。地図が配られないのであまり把握できていなかったが、下り途中のAS2は意外に早く通過できた。
       下りきってからのAS3への登り返しも歩かずに進んでいたら、エイドに来合わせた石川弘樹さんに「抑えて抑えて」とジェスチャーで指導される。まあ、帰りの都合もあるので…。

       ここからが険しいアップダウンの続く本番。登りでも足を止めず、気持ちだけでもリズムよくクルクル回していく。トレイルの状態はよく、走りやすい。10時間を切りたい、という目標はあるものの、ペース配分を考えるほどの余裕はなく、無心に出力80-90%くらいのイメージで進んで行く。
       何度もアップダウンを繰り返し、偽の頂上に騙される、ということ自体には彩の国の飯能アルプスで慣れているが、それよりも一つ一つの高低差が大きい。次第に筋肉が固まってくるので、ときどき屈伸でこわばりをほぐす。
       AS4ではスポーツドリンクがなく水の補給だった。塩分を摂りたくてしし汁をお代わり。おにぎりをすすめられたが、空腹ではないので遠慮する。※定期的に塩タブレットはとるようにしていた。脱水対策はうまくいったと思う。

       最後のAS5を過ぎてあとはラスボスを残すだけ、と思ったら、そこからが長い。棚山高原からの急降下、鳳来寺山への登り返しで、だいぶ足を消耗。鳳来寺山だけが木の根や石段で走りにくい。頂上からは下りだけかと思いきや、最終関門の東照宮からはまだ登らされる。関門では9:30ちょうど、10時間はギリギリか? トイレに立ち寄り顔を洗って頭を冷やす。
       その後「もうあとは下りだけですね」と確認してからも、砂利林道がかなり長い。この辺ではもう膝が限界で、軽快に走ることはできず負傷を避けるようにペースダウン。
       湯谷温泉に近づき傾斜が緩くなると、膝に負担もかからなくなるのでそれなりに走れ、歩いていた選手をひとりパス。最後の橋を渡ってゴールまではラストスパート! とはいえ客観的に見れば全然速くなかったに違いない。
       ゴールでは石川さんが出迎え、完走メダルをかけてれた。「あそこではだいぶ暑さで参っていたようだけど、着きましたね~」ああそうか、そう見えていたのか、坂を止まらずに上るのに必死だっただけなんだが。

       タイムは10:09、10時間の壁は越えられなかったが、入浴しても新幹線で帰れる時間。割引券で温泉につかり、関谷醸造の日本酒を土産に飯田線で帰路に。

      反省点

       この大会は後泊してゆっくり温泉を楽しむべき!でした。

       前日受付会場で買った、スポーツミネラルは結構気に入った。彩の国でも使おう。

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今年も彩の国の公式試走会が始まる

 今週末から、彩の国の公式試走会が始まる。大会の知名度が上がってきたせいか、試走会も人気で、すぐ定員になってしまったようだ。
 私は4回中2回に参加予定。昨年は「とにかくできるだけ試走会に出なきゃ」と思っていたけど、昨年の大会終了後も毎月現地に通っているので、今年はそこまでの焦りはない。自主練のうち、ステージ1周したものだけを抜き出しても下記のような感じだ。

第2回大会以後のステージ試走記録
日付コース距離(公称)所要時間備考
2017/06/10北ステージ201751.0km09:04:59
2017/06/10南ステージ(前坂)201755.0km12:34:03
2017/06/10南ステージ(周助山)201755.9km14:20:23
2017/07/30南ステージ(周助山)201755.9km12:27:02
2017/09/09北ステージ201655.3km09:13:31
2017/09/09南ステージ(前坂)201654.7km13:48:14
2017/12/01南ステージ(前坂)201755.0km12:38:46
2018/01/20北ステージ201851.0km09:56:29調理0:20含む
2018/02/03南ステージ(前坂)201855.0km12:10:51調理・ルート確認0:30含む
2018/02/17北ステージ201851.0km09:17:16
2018/02/18南ステージ(周助山)201855.9km12:12:47ロスト0:40含む
2018/03/17北ステージ201851.0km09:22:53
2018/03/17南ステージ(前坂)201855.0km13:37:58待ち合わせ1:00含む


 しかし、こうやって並べてみると1年たってもまるで速くはなってない…。おまけに、最新の3周分を足し算すると、余裕で35時間オーバーの関門アウトだ。

 ただ、プラス材料もある。
  • 100km以上連続で走っても以前ほどのダメージは受けなくなっている
  • 最新の3周分の足し算から、削れるはずのロス時間を引けば関門時間内に納まる
  • 昨年の補給ミス・眠気対策は身についた

 そして、この1年で新調したのはALTRAのトレランシューズ、KING MT。昨年の彩の国で履きつぶした先代SUPERIORよりはちょっと頑丈、と店の人は言っていたが、私の走り方が下手なせいか、すぐにアッパーは傷んでしまった。スポーツグーで塗り固めてガードして使い続けている。グリップはいいので、もう1足買っとこうかな…?

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 今度こそ、何とかなるんじゃなかろうか? 見てろ、モンスター!

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